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JRA重賞『安田記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web 

ジンクスは破られるためにある…そのことは重々承知だったが、先週、「テン乗り騎手はダービーに勝てない」というジンクスが69年ぶりに破られた。成し遂げたのは、4番人気タスティエーラに騎乗したダミアン・レーン。断然人気の横山武ソールオリエンスを首差下して1着ゴールイン! 私もこのジンクスに囚われていた1人だった。70年近くも破られていないこの強烈な〝縛り〟を、今回の来日で重賞未勝利のレーンが軽々とクリアするとは思えなかった。

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加えて、先週の文中で「皐月賞2着のタスティエーラを、ご贔屓・松山からレーンに乗り替わりなので心置きなく無視し…」と、ほとんど逆恨みのように嫌ったら、何と素敵に勝たれてしまった。ついでにその後の目黒記念まで勝って、1日重賞2勝だもの。おいおい、いくら彼の新妻が先週来日したからって、張り切り過ぎでしょ。そのわが松山は、6番人気のハーツコンチェルトをしっかり3着に持って来た。相変わらず頼りになる。当然買っているのだが、レーンを見切った〝馬券下手〟では仕方がない。未練がましく言えば、ハナ差4着で9番人気の横山和ベラジオオペラも買っていたのに…。

ジンクスと言えば「青葉賞勝ち馬はダービーに勝てない」もある。こちらは頑固に継続中となったが、悲劇が起こった。何と、そのスキルヴィングが、直線半ばで失速し、最下位で入線後、急性心不全で死亡したことだ。鞍上のルメールも沈痛なコメントを残した。テンポイント、サイレンススズカ…競馬歴が長けりゃ、競走中の悲劇は何度も見て来たが、やはり心が曇るなあ。馬券が外れりゃよけい悲しいってもんよ。レース後に呑んだ酒が苦かったぜ。

さて、春のGⅠ連戦がここで一区切りの安田記念。この時期だと競馬ファンの話題は、POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)だろう。私も6、7年前までは参加していたが、退いてから久しい。今年度の新馬をザックリ見ると、ボンドガール(手塚厩舎、日曜日・鞍上レーンで出走)という馬に注目している。〝007はボンドガール目当て〟の評論家としては形から入っただけだが、なかなかどうして良血馬らしく、争奪戦になるやもしれぬ。近年の馬友のS氏やN氏は、参加しているドラフト会議でこの馬を選んだのかな?

“映画連想馬券”の本命はジャックドール

「安田記念」に話を戻すと、ここ5年は必ず牝馬が馬券に絡んでいる。〝牝馬の鉄〟としては無視出来ないデータだ。ならば軸はソダシか。これまでほとんど本命視しなかったが、今回は鞍上・川田なのが強い。安定度は抜群だし、趣旨替えの恥を承知で推したい。相手は6頭。ヴィクトリアマイルでソダシを下し、安田記念連覇もかかる戸崎ソンラインは当然だし、牝馬ワンツーもアリだが、ソングはデビュー当時以外、勝利の次が凡走の傾向が気にかかる。加えて試練の大外でもある。むしろマイラーズC勝ちで復活したルメール大将のシュネルマイスターを優先させたい。初のマイルが気になるが、武豊ジャックドール、レーンが継続騎乗のセリフォスも押さえたい。一方、NHKマイルCでアッと言わせた内田シャンパンカラーは、3歳馬の果敢な挑戦だが、時計的にも苦しい? 穴なら、何はなくとも(笑)ご贔屓・松山騎乗のソウルラッシュ、東京得意の横山和レッドモンレーヴか。キタサンブラック産駒の西村淳ガイフォース、牝馬の横山武ナミュールも気になるが、印は回せない。

さて〝映画連想馬券〟だが、ジャックドールのドールは人形ではなく、フランス語で〝黄金〟の意味だそうだ。ならば邦画で、井筒和幸監督の強盗映画『黄金を抱いて翔べ』(13年)はどうか。浅野忠信、妻夫木聡、西田敏行らの強盗チームが大銀行の地下金庫に眠る金塊を狙う犯罪サスペンス。個人的に、映画ジャンルで一番好きなのが強奪・金庫破りものである。そりゃ現実的には、先日、銀座で起きた高級時計強盗事件など、「けしからん!」と思うが、空想の世界では別なのだ。浅野忠信が威容を誇る巨大銀行の前で口にする「燃えてくるだろ」の名台詞がササった。恥ずかしい昔話だが、若き会社員時代にサラ金数社から借り入れて汲々としていた頃、金融機関のビルの前に佇み、「クソ、ここにはお宝がうなってやがる…」と犯罪者的気分になって見つめていたことを思い出したからだ。

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秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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