両国国技館 (C)週刊実話Web
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相撲界に新スター誕生!霧馬山(霧島)の大関昇進で来場所は“東西2大関”

大相撲夏場所(東京・両国国技館)は5月28日、横綱照ノ富士の1年ぶり8回目の優勝で幕を閉じた。両膝のケガをものともせず、終盤、圧倒的な強さで14日目に早々と優勝を決めた照ノ富士は「(昨年の)10月に膝の手術をして1日も無駄にしたくないという思いでやってきました。頑張ってきてよかった」と、喜びもひとしおだった。


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このところ、毎場所のように優勝力士が入れ替わる混戦、混乱、下克上の土俵が続いていたが、横綱の復活でやっと番付通りの結果が戻ってきた。日本相撲協会首脳陣もホッとひと息、といったところだが、その顔がさらにほころんだ。


逆転優勝こそならなかったものの、関脇霧馬山が13日目に大関確定の11勝目を挙げ、もう一つの悩みの種だった1横綱1大関時代に終止符を打った。31日に日本相撲協会は霧馬山の大関昇進を全会一致で正式に決めた。しこ名も師匠の陸奥親方の名を受け継ぎ、「霧島」に改名。これで来場所は、東西に2大関が並び立つきれいな番付になる。

「大関になったらモンゴルに帰ってもいいぞ」

それにしても、初チャレンジでやすやすと大関取りの壁を突破した霧馬山の成長は、実に大したもの。この裏に何があったのか。

「2人の人物を抜きに語ることはできません。1人は部屋付きの鶴竜親方(元横綱)です。まだ現役だった鶴竜親方が、霧馬山のいる陸奥部屋に移籍してきたのは、2019年秋。当時、霧馬山は十両になったばかり。同じモンゴル人ということもあって、鶴竜親方は食生活から徹底指導、この夏場所前も出稽古先まで同行し、熱心にアドバイスを送っていた。その鶴竜親方の引退相撲が、両国国技館で6月3日に行われる。そこに霧馬山も大関になって出場し、花を添えたいと場所前から燃えていました」(部屋関係者)


もう1人は、霧馬山の素質を見抜いた師匠の陸奥親方(元大関霧島)だ。


「陸奥親方もたたき上げの苦労人ですからね。やる気を引き出す術は心得ている。もう4年も帰郷していない霧馬山に『大関になったらモンゴルに帰ってもいいぞ』とニンジンをぶら下げて、その気にさせていました」(大相撲担当記者)


大相撲界は〝新スター誕生〟に沸いている。