
『令和の“応演歌”』西川ひとみ~母親の介護経験が歌手生活のターニングポイントに(前編)
――西川さんは、父親が浪曲師の松平円十郎さんということですが、やはり幼い頃から歌には親しんでいたのでしょうか?
西川 記憶に残っているのは、父に連れられ、3歳の頃からお寺の境内や老人ホーム、介護施設などで二葉百合子さんの『岸壁の母』を歌っていたことですね。そうすると、ご高齢の方々から駄菓子や時にはお小遣いをいただけるんです。それに味を占めてしまい、歌手になったらお金をたくさんもらえるんだなという思い出があります(笑)。
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当時から父には厳しく歌を習っていました。あまりの厳しさに父を憎んだこともありました。また、父は全国各地へ巡業に出ていましたので、年に一度くらいしか家に帰ってこないんです。幼かったので何をしているのか分からず、反抗していましたが、小学校3年のときに亡くなったんです。
――それでは幼い頃から歌手を目指していたのでしょうか?
西川 夢ではありましたが、そんなに甘いものではないだろうと考え、保母さんになりたかったんです。でも、16歳くらいから東京へボイストレーニングに通い始めたんです。1カ月に3回、飛行機で熊本から東京を往復していました。ボイストレーニングの先生は、ものすごくスパルタな先生で、細い声を太くしようとスリッパで叩かれることもあったんです。
――まだ高校生だと嫌になることはなかったですか?
西川 熊本ですから火の国の女なんです。負けず嫌いなんですよ。何度も先生と言い合いになりましたね。「こんなのできません。先生が歌ってくださいよ」「俺が歌うわけないだろ」と。
改名して再スタートへ
高校卒業後、デビューを果たしました。でも、浪曲演歌でデビューするはずが、関西汽船の50周年の年だったので、全く違う曲調の『別府航路』でデビューしたんです。――その後、活動を一時休止しています。
西川 母が倒れ、ひとりっ子なので看病していたんです。その間に車の免許を取り、介護の勉強をし、近所の方々にも助けてもらいました。早くにデビューしたので、人のありがたさを実感しました。
母の介護をしたことが歌手生活のターニングポイントになったんです。活動を再開しても、以前のように声が出ず、作曲家の水森英夫先生のレッスンを受けながら、着物のモデルとしても活動していました。水森先生から西村妃都美という当時の歌手名は「字画が良くない」と言われ、西川ひとみに改名したんです。
また、歌への意識も変化しましたね。看病で周りの皆さんに助けられたことから、感謝の気持ちを歌で伝えたい。そのためには、心を歌わないといけないと実感したんです。
――母親の介護の経験が今の西川さんを作り上げたんですね。
西川 看病している間は、母が回復しなければ安定している人を見つけて結婚しなければいけないということで、お見合いを4回しましたが、すべて上手くいかなかったんです。JAや郵便局の職員さんなど安定した仕事に就いている人が多かったですね。1人だけビビビッとくる人がいたんです。その方はお寺の住職さんでしたが、断られてしまった。ただ、その方は今はファンになっていただいています。
(以下、後編へ続く)
にしかわ・ひとみ 熊本県八代市出身。浪曲師・松平円十郎のひとり娘として生まれる。1994年『別府航路』でデビュー。『西川ひとみと三里ゆうじの歌日和』(テレビ埼玉他)にレギュラー出演中。5月24日に新曲『女郎花』を発売。
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