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JRA重賞『日本ダービー』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web 

先週のオークス、川田リバティアイランドの6馬身ブッチギリは衝撃的だった。「距離延びて、広い東京コースならさらにどれだけ凄いんだ? と想像に難くない」と先週記したが、その想像以上、遥か先! 一部の予想家が〝距離不安説〟を唱えていたが、リバティ女王様にお詫びしなさい、と言いたい。ここ半世紀のオークスでは、1975年のテスコガビー8馬身勝利以来の快挙で、当時、杉本アナが「後ろからは何にも来ない! これは強い! 恐ろしい馬です!」と名実況したが、今回も、その再現に近い。強すぎ!

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遥か6馬身後方の2着は川田のライバル、ルメール大将のハーパー。「リバティだけが他のレースにいた」と、その桁外れの強さを素直に認め、白旗だった。問題の3着がアッと驚く15番人気の斎藤新ドゥーラ…4分の3馬身差の4着が松山ラヴェル。レースを見ていた方はお判りだと思うが、ゴール前10メートルぐらいまでは3着はある、という粘りを見せていただけに惜しい。やはり先週の文中で「唯一リバティアイランドに土を付けている、ってことが〝勲章〟(昨秋のアルテミスS)の坂井ラヴェルが桜11着からの巻き返しを期待したい」とプッシュし、実際ハーパーもラヴェルも厚目に買っていて、3連複大本線的中だったのに…と未練がましい私である。馬連も当然厚目だが、2番人気ハーパーとで590円ではトリガミに終わった。

とはいえ、この春のGⅠ連続不的中は4でストップではある。気を取り直してダービーに駒を進めたい。この齢になると、「あと何回ダービーが見られるか?」という言葉が現実味を帯びてくる。実際、同年代の馬友には他界した者もいれば、重い病で現役復帰や競馬観戦などは絶望的な者もいる。それに比べれば毎週毎週競馬が出来て、こうして能書きを垂れさせて頂けるコラムを持たせて貰えるだけで、私は〝幸せ者〟なのかもしれない。

“映画連想馬券”の本命はソールオリエンス

おっと、湿っぽい話はこれくらいに。いよいよダービーである。テーマはただ一つ。リバティアイランド並にダントツ1番人気が確定の横山武ソールオリエンスの扱いだ。確かに重馬場の皐月賞での爆発的末脚はリバティ並だった。何しろメンバー中唯一の無敗馬。無傷で皐月賞、ダービー制覇となれば史上8頭目だという。それがもはや既成事実的ムードである。しかし、個人的にはオークスのリバティほど〝鉄板〟ではないような気もする。最大の理由は重馬場の皐月賞を激走した反動である。卑近の例では、こちらは古馬だが、天皇賞・春で断然1番人気の末、競走中止の憂き目を見たタイトルホルダーは、その前走、不良馬場の日経賞で激走した反動が少なからずあると言われている。

というわけで、ソールを外した馬券も買う。まず皐月賞2着のタスティエーラを、ご贔屓松山からレーンに乗り替わりなので心置きなく無視し、3着の武豊ファントムシーフを優先。ちなみにファントムもルメールから武豊に乗り替わり。〝テン乗り騎手はダービーを勝てない〟というジンクスは競馬ファンなら先刻承知之助、はたして今年は? 同様に青葉賞ステップ馬も勝てない、というのも競馬ファンの常識だ。その青葉賞組から勝ち馬でルメール大将継続騎乗のスキルヴィング、2着で松山継続騎乗のハーツコンチェルトを抜擢。他の別路線組では、京都新聞杯経由の川田サトノグランツは致命的な大外でなければ買ったのに…。皐月賞馬券圏外組では、6着岩田望シャザーンを。あと大穴では皐月4着の津村メタルスピード、ラッキー枠①を引いた横山和ベラジオオペラを。

さて〝映画連想馬券〟だが、ソールオリエンスはラテン語で〝朝日〟だとか。英語なら〝ライジング・サン〟か。よって、ショーン・コネリーが日本通の刑事役で主演した『ライジング・サン』(93年)はいかがか。在米日本企業ビル内で起きた日本人相手のコールガール殺人事件と、その背景にある文化摩擦を描く犯罪サスペンス。別に傑作でもないが、バブル後期の日本を揶揄する描写や、コネリー刑事の日本通ぶりが少しヘン、とかツッコミどころ満載。公開当時は〝日本叩き〟映画か、との抗議もあったが、今見ると〝笑える〟かも。

馬券は②⑤⑩⑪⑭のボックス馬連&3連複。②から、⑤から①と⑧への馬連、②⑤縛りの①と⑧へ3連複。ダービー当てたいなあ!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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