
『コトヒキ』大分県別府市/別府競輪場横産~日本全国☆釣り行脚
5月も半ばを過ぎ、大型連休後の反動とも言えるこの時期は、旅行関係が何かと安くなるタイミングです。そのため、この時期に社員旅行などを行う会社も多いようで、先だって知人から「ウチの会社で別府温泉に社員旅行があるんだけど、もしよかったら来ない?」と、お誘いがありました。急に欠員が1名出たとのことで、ワーキングプアの身としてはタダで酒が飲めて、タダで温泉が楽しめるのですから、ありがたくご相伴に預かることにします。
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さて当日。待ち合わせ場所の博多にある会社へ行きますと、既に皆さまお集まりの様子で、そそくさと貸し切りバスに乗り込みます。ここで、誘ってくれた知人から「実は頼みがあって…」と切り出され、聞けば課長の息子の相手をしてほしいとのこと。「別府温泉に着いたらレンタカーを予約してあるので、釣りに連れて行ってやってくれ」と。どうりでワタクシに誘いがかかったわけですな。走り始めたバスの中では早くも宴会が始まりましたが、この後で運転があるワタクシは烏龍茶で我慢です。
バスは渋滞もなく大分自動車道を順調に走り、2時間余りで別府駅近くの旅館に到着。ここから夜の宴会までは自由時間となり、早くもホロ酔いで温泉街に出かける社員さんたちを尻目に、ワタクシはここからがミッション開始です。
市内を走るうちに、「この小道を右に入って」と言われた場所は別府競輪場のすぐ脇です。はて、未成年なのに競輪も好きなのかしら? などと思いつつ、言われた通りに小道を曲がると道沿いには水路が流れており、「ここが気になっていたのよ~」と満足気。車を止めて水路を覗いてみると、40センチはあろうかというクロダイのような魚影が数尾、足下からスーッと対岸に逃げていきました。こ、これはなんと香ばしい見事なドブなのでしょうか。少年の指示により初めて来た釣り場とはいえ、ドブ好きなワタクシとしても実にそそられるポイントです。
はやる気持ちを抑えつつ、安物のコンパクト竿を2本用意し、市販のシロギス仕掛けをセット。エサのアオイソメを付けて、2人で1本ずつ水路に向けて釣りを始めます。と、すぐに竿先が震え、ハリに掛かってきたのはクサフグ。こういった河口域では、おなじみの外道です。
フグゆえに毒があって食べられないうえ、鋭い歯で糸を切っていくどうしようもない邪魔者ですから、これがあまりにも多いと釣りになりません。「あまり湧いていませんように」と願いながらエサを付け替えて再び仕掛けを投じますが、すぐにアタリがあって、またもクサフグ。これはよろしくない展開です。
コトヒキ釣るも臭う塩焼き
そんな中、隣で竿を出す少年から「なんかいいのが来たよ」と声が上がりました。見ると竿先が激しく絞り込まれており、上がってきたのはストライプ模様の鮮やかなコトヒキです。「あら、いいのが釣れたねぇ」などと返していると、こちらの竿も竿尻が浮き上がらんばかりに激しく絞り込まれました。すぐに竿をつかんでリールを巻くと、クサフグとは違った鋭い手応えで、こちらにも20センチほどのコトヒキです。シマイサキ科のこの手の魚は小さくても引きが鋭いのでドキッとしますな。
コトヒキはヒレのトゲが鋭いので、タオルでつかんでハリを外そうとすると、グゥグゥと手に震動が伝わるとともに鳴き声が。ウキブクロの発音筋を使って鳴くのがコトヒキの特徴でもあり、この鳴き声が琴の音には似ていないものの、〝琴弾き(コトヒキ)〟という名の由来といわれております。
そんなコトヒキを塩焼きで賞味です。香ばしく焼けた皮とともに白身を一口いただくと、淡白でうまい…いや、後味に廃水周りの魚独特のドブ臭が感じられます。まあ、香ばしいドブ水路が釣り場なので当然といえば当然ですな。
ということでコトヒキが釣れた今回でしたが、このドブの実力はまだまだこんなモノではなかったのです。そのお話はまた次回ということで…。
三橋雅彦(みつはしまさひこ) 子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。
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