(画像)Tupungato / Shutterstock.com
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「路線バス」存続の危機…高齢化や低賃金で運転手不足が深刻化

庶民生活の交通手段として欠かせない「路線バス」の存続が危ぶまれている。


路線バスを運転するためには大型2種免許が必要だが、警視庁が発表している運転免許統計2022年版によると、大型2種免許保有者数は80万2143人で、20年前の118万5062人に比べ、約7割にまで減少している現実がある。


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「大型2種免許保有者の高齢化も進んでいます。22年の大型2種免許保有者のうち、65歳以上が占める割合は約46%。02年は約38%だった。この20年間で約8ポイントも上昇している。バス会社としては定年退職していく人数を補充しなければならないが、労働条件や低賃金で応募者は激減しているんです」(日本バス協会関係者)


厚生労働省の21年賃金構造基本統計調査など各種データを参考にすると、バス運転手の年収は約450万円だ。

女性バス運転手を積極的に募集

「日本全体の平均年収と、ほぼ同じくらいです。しかし路線バスの運転手には早朝・深夜や土日祝日の勤務もある。人の命を預かる仕事ですから、翌日早朝に乗務する場合は酒をセーブしなければならないなど、さまざまな制約もある。超少子高齢化社会での雇用確保は、難しいのが現状です」(交通系ジャーナリスト)

公益社団法人『日本バス協会』が会員を対象に実施した調査(21年10月)では、885社のうち56%の会社が「運転手は不足している」と回答している。


「コロナ禍や燃料費高騰なども重なり、バス会社は路線バスの縮小や廃止も考えなければならなくなっていますよ」(同)


深刻な運転手不足に陥っているバス業界は、給与のベースアップや労働環境の改善、大型2種免許取得費用の支援などに取り組んでいるようだが、企業努力だけでは限界がある。


「バスの自動運転化はずっと先になります。現実的なのは、高額な大型2種免許取得費用の支援制度で若者や女性を積極的に募集することです。特に女性バス運転手の比率は2%前後と低い。世界では男女比が半々の国もあるそうです」(同)


運転手不足対策は急務だ。