人気お笑いコンビ『かまいたち』の山内健司がYouTubeチャンネルで「GLP－1ダイエットを行って、3カ月で8キロ減量に成功した」と配信（4月16日）。その直後に医療関係者から「GLP－1ダイエットは危険です」との忠告を受け動画を削除した。

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「GLP－1ダイエットに使われている『GLP－1受容体作動薬』は本来、糖尿病の治療薬です。ここ数年、美容クリニックを中心に個人でもダイエット目的で簡単に手に入れることができるようになったが、使用に伴って低血糖などの副作用が起きる危険性がある」（医療ジャーナリスト）

2020年に日本医師会の今村聡副会長は「本来、糖尿病治療のために使用されるべき貴重な医薬品の一部が個人輸入、あるいは美容クリニックにおいて〝やせ薬〟として不適切に使用されている実態があることに大きな疑念を持っている」と警鐘を鳴らしている。

医師の判断なしに使用は危険

「GLP－1ダイエットには、注射と内服液があります。注射は患者さんが毎日自分で打つタイプと、週に1回のものがある。内服液の場合は少ない量から始めて、糖尿病の指標となる（空腹時）血糖やHbA1cの値を見ながら増やしていく。両者とも医療関係での定期的な血液検査や、医師の指導が重要なんです」（東京・江戸川区の内科クリニック院長）

GLP－1の投与初期には下痢、便秘、吐き気などの胃腸障害の副作用が起こりやすいとされる。また、これらの医薬品の添付文書には妊娠している可能性がある女性には投与しないこと、重大な副作用として低血糖、膵炎、腸閉塞などのリスクがあると記されている。

「GLP－1は痩せる効果があることは確かですが、美容などのネット広告に釣られて自分でGLP－1ダイエットするのは危険です」（前出・院長）

山内の動画が削除（4月18日夜）されて以降も、インターネット上では「GLP－1ダイエット月6940円〜自宅で購入」「痩せホルモン注射」といった広告が氾濫している。

ダイエットに成功しても、体を壊しては元も子もない。