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JRA重賞『オークス』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web

先週のヴィクトリアマイルは〝牝馬の鉄〟の名がすたるような結果だった。人気上位馬では自信を持って切ったのが、浜中ナムラクレア、戸崎ソングライン。するってえと、何とそのソングラインに勝たれてしまうというお粗末。レーンのソダシも、大外、休養明け、騎手乗り替わりの“3重苦”、とせいぜい押さえ、としたら、負けてなお強し、の2着に食い下がった。いくら軸のルメール騎乗スターズオンアースが3着に入っても、馬券的には大外れもいいとこ。

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第二本命の横山武ナミュールに至っては道中不利があったとはいえ7着…これでは、言い訳無用。それにしても惜しい4着に来たのが、あっと驚くブービー人気のデムーロ騎乗デヴィーナとは! 馬券持ってた人は悔しかったろうなあ。いっそのこと、この馬が3着に入線して、大波乱になってくれたほうが面白かった、と腹いせに無責任なこと言ったりして(笑い)。

というわけで、今年の当コラムの馬券収支もマイナス・ゾーンに突入し、オークス・ダービーを迎えることになった。今週は、そのオークスだが、〝石屋の小僧も驚いた〟ってぐらいカタい本命なのが川田リバティアイランドだということは小学生でも分かるはず。何しろ桜花賞が凄かった。最後方に近い位置取りから、ラスト3ハロン32秒9という驚異の末脚を爆発させたのだから、距離延びて、広い東京コースならさらにどれだけ凄いんだ? と想像に難くない。単勝予想オッズはどれくらいだろう? 桜花賞が160円だから、もっと下がって130~140円ぐらいかな。その桜花賞は馬連&3連複ともガッチリ頂いたので、オークスもね、と〝取らぬタヌキの皮算用〟である。

問題は相手捜し。2、3、4番人気は桜花賞2、3、4着だったコナコースト(鮫島駿からレーンに乗り替わり)、引き続き横山武騎乗のペリファーニア、同様にルメールが乗るハーパーあたりが順不同で入るのか。

“映画連想馬券”の本命はリバティアイランド

穴で狙うなら桜花賞の掲示板外凡走組だろう。過去10年でも何回か馬券にからんでいるので要注意。まずは唯一リバティアイランドに土を付けている、ってことが〝勲章〟(昨秋のアルテミスS)の坂井ラヴェルの桜11着からの巻き返しを期待したいし、その桜で2番人気だったのに、8着のライトクオンタム(武豊から田辺に乗り替わり)が人気が急落したここでは逆に〝買い〟かもしれない。残り少ないディープインパクト産駒だしね。桜以外なら東京コース2000メートルのフローラSを逃げ切り勝ちした菅原明ゴールデンハインドは、今回も単騎逃げが実現すれば面白い存在だろう。

ここで例によって騎手の話もしたい。先々週はアメリカ遠征で不在の間、リーディングの川田に9勝差とリードを広げられたルメール大将だが、先週は得意の固め打ちで7勝をマーク(川田は1勝)、一気に勝利数を3勝まで縮めたのだからさすがである。今週の重賞ではオークス、平安Sともに川田が大本命馬に乗るし、彼はこのたびサントリーとアンバサダー契約を結んだと報道があった。日本で騎手がこういう契約を実現するのは珍しいこと。川田、ルメール、どっちも頑張れ! と言っておこう。

さて〝映画連想馬券〟だが、大本命リバティアイランドから『シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛』(73年)を選んでみた。題名は水兵たちの俗語で、シンデレラ姫のように深夜0時まで帰る規則のこと。休暇上陸した水兵ジェームズ・カーンとハーフの息子を抱えた街の女マーシャ・メイソンとの出会いと愛の行方を日常的なタッチとユーモアを交えて描く佳編。主演2人の好演が味わい深い。『ゴッドファーザー』(72年)での粗暴で女好きの長男役、『ミザリー』(90年)での異常な女性ファンに監禁される作家役などで知られ、アクション映画にも多数出ているカーンだが、本人はそのマッチョなイメージを嫌い、本作のような人間ドラマのオファーを喜んだという。昨年7月、82歳で死去した。一周忌を前に追悼の意味でも見てほしい。

買い目は、⑤から①②⑥⑨⑫⑭へ馬連&3連複。相手①⑥⑫は厚目に。頭⑤不動の3連単も買いたいところだが、不慣れなことはやめよう。いつものスタンスが大切だ。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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