阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web 
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阪神・岡田監督「虎の村神様」をエース指名!? シーズン終盤の連戦に懸念も

「苦手投手」を作ってはいけない。だが、岡田阪神の行く手は難敵だらけだ。その筆頭候補が、〝史上最強助っ人〟の呼び声高い、DeNAのT・バウアーだ。


「当初、DeNAのバウアーは5月14日の阪神戦で先発する予定でした。直接対決は7月になりそうですが」(球界関係者)


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阪神の岡田彰布監督が「監督通算600勝」を達成したのは、5月13日だった。その節目の勝利が「3連勝で同率首位に浮上」ともなったわけだが、開口一番に出たのは、「忘れてた」。このセリフは、これからの不穏な空気を物語っていた。


「岡田監督も話していましたが、広島遠征から帰ってきた9日に『あと2勝でメモリアル。本拠地・甲子園で達成を』の説明が球団スタッフからされていたんです。9、10日と連敗してしまい、それで忘れたと言っていましたが」(在阪メディア・記者)


そして5月9日、二つのダメージを負ってしまった。一つは新ローテーションの中核で〝虎の村神様〟こと村上頌樹で試合を落としたこと。そして、もう一つは、「苦手投手」を作ってしまったことだ。


「ヤクルトのドラフト1位ルーキー、吉村貢司郎でした。早くも今季三度目の対戦でしたが、吉村の対阪神の防御率は1.06。4月30日にプロ初勝利を、9日に2勝目までプレゼントしてしまいました」(同)


スコアは、0-1。同日、岡田監督も「吉村=天敵」を口にしており、「アカンよなあ〜。吉村にずっとなあ…」と、ボヤくことしきり。しかも、6回の満塁の好機で、佐藤輝明が空振り三振に切って落とされている。


「吉村とはオープン戦でも二度対戦しています。7回で1得点。シーズンでも計17回で2点しか奪えていません。3戦2敗。岡田監督がボヤいていたのは、村上で勝てなかったせいもあります」(同)

村上に火曜日を託したが…

岡田監督はローテを再編した。

「どの球団もそうですが、火曜日に投げる先発投手は重要です」(前出・球界関係者)


ペナントレースの日程は、おおむね火曜日に始まって日曜日に終わる。この6連戦の初戦である火曜日を落としたくないのだ。


「6、7日の広島戦を雨天中止で流し、村上を二度スライドさせて火曜日に持ってきました。村上は本来、6日に先発する予定だったんです。再々スライドさせ、火曜日に動かしたのは信頼の証しです」(同)


村上はプロ3年目。昨季までの通算一軍登板はたった2試合。開幕後もノーマークに近かった右腕が「開幕からの連続無失点」を31イニングまで伸ばし、1963年にカウントされたリーグ最長に並んだ。


安定感バツグンの村上がローテの中核となるのは当然だが、素直に喜べない部分もある。本来、チームを牽引していなければならない青柳晃洋、西勇輝の調子がイマイチで、村上に火曜日を託すしかなかったのだ。


「雨のおかげで、村上を火曜日にスライドできました。でも、阪神は早くも『雨天中止』が5試合もあるんです(15日時点)。そのうち3試合は9月に組み込まれましたが、あとの2試合はどこに組み込むか決まっていません。10月になるでしょうね」(ベテラン記者)


8月以降の連戦に次ぐ連戦は避けられそうにない。秋は台風シーズンでもあり、村上がバテたらヤバイことになりそうだが…。


「セ全球団が警戒を強めているのは、DeNAのバウアーです。5月9日、巨人が攻略に成功しましたが、2020年サイ・ヤング賞投手は、やはり別格。攻略の糸口と思われるのは2点。高めの変化球と、機動力です。走者を出してもバウアーの投球モーションは大きいまま。その2点を巨人が突いたわけですが、9日の試合終了時点でバウアーは自身の弱点に気づいたような口ぶりでした」(セ・リーグ球団スタッフ)

岡田監督が注力するのは“交流戦対策”

特に、阪神は警戒しなければならない。

バウアーは「変人」とアダ名をつけられる物理オタクだが、親日家で、日本の高校野球に強い関心を持っている。高校生の野球大会に日本中が応援する文化を称賛し、バウアーは「甲子園球場を野球文化の聖地」と捉え、阪神戦に投げることを楽しみにしているのだ。


「バウアーが決め球にしている縦の変化球〝スプリットチェンジ〟は、要注意。近本光司、中野拓夢の1・2番が出塁してくれたら面白い展開になるんですが」(前出・メディア記者)


岡田監督も偵察部隊を派遣しているが、対策を講じるのはもう少し後になりそうだ。


目下、岡田監督はiPadを使い、日中はパ・リーグ観戦に時間を割いている。交流戦対策である。


「21、22年はトータルで勝ち越しましたが、セ全球団は交流戦に苦手意識を持っています。5割以上の勝率を挙げられれば、シーズン中盤戦は乗り切れると思いますが」(同)


後半戦は連戦必至。中盤戦でコケたら、後半戦の心配をする前にジ・エンドである。意外だったのは、岡田監督がIT機器を使いこなしていること。


この意外性で、阪神戦に標準を定めるバウアーも攻略できるだろうか…。