4月7日、ホンダがミニバン『オデッセイ』を今年冬に再販することを発表した。販売を終了したモデルの復活は極めて珍しいためか、大きな注目を集めている。
『オデッセイ』は1994年に発売され、日本に〝ミニバンブーム〟を巻き起こした伝説の車種。当時、ヒットに恵まれず、経営危機さえ取り沙汰されたホンダを立て直した功労ブランドだが、国内生産を終了したのは2021年末のこと。
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製造を担う狭山工場の閉鎖に伴う決断だったが、会社立て直しの功労車に対するあまりに淡泊な撤退劇は、「市場見誤りの極み」と批判を浴び、販売終了を発表してからの駆け込み需要も話題となったほどだった。
中国製で日本市場に風穴を開けられるか
今回の〝復活〟に対してホンダは、「長く愛されてきたブランドであるオデッセイを継続してお届けしたいという想いと、お客様からの多くのご要望にお応えし、前モデルをベースとした改良モデルを発売します」と発表。業界からは「ならば、生産終了しなきゃ良かっただろう」との突っ込みの声も上がっているが、そこにはホンダのしたたかな戦略が渦巻いているのである。
自動車評論家がこう語る。
「実は、再販される『オデッセイ』は中国工場で生産される予定です。現在、ホンダはソニーとEVを共同開発しているが、今回の〝復活劇〟は日本市場が中国製自動車にどれほどアレルギーがあるかを占う試金石。中国製『オデッセイ』の再販がうまくいけば、既存車種などは中国生産、EVなど先端技術を有する車種は国内生産と、体制を切り替える可能性があるのです」
今や、あまりに多くの中国製品が溢れており、「安かろう、悪かろう」のイメージは薄らぎつつある。日本は自動車の品質に関しては世界一うるさい国といわれているが、その壁に中国製『オデッセイ』が風穴を開けるかもしれないのだ。
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