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JRA重賞『ヴィクトリアマイル』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web

先週のNHKマイルCは「本命不在の難解極まるレースと来たもんだ。1番人気が何かもまだ判然としない」と書いたが、オッズは直前まで、武豊オオバンブルマイか、戸崎エイヤンか、レーンのカルロヴェローチェか判らず、結局カルロが1番人気で5着敗退の憂き目に。オオバンは3着を確保したが、その前にいたのが横山武ウンブライルで、もっと先にいた内田シャンパンカラーに至っては〝驚き、桃の木、山椒の木〟である。

「そんな馬、聞いてないよ~」と当方、またも嘆き節…。そもそも、第一段階で完全無視した馬だもの。これに来られちゃお手上げヨ。


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無視と言えば、三浦ドルチェモアを「前走で負け過ぎの感があり、鞍上もGⅠ実績に乏しい三浦に乗り替わるのも個人的には懸念材料」と一刀両断し、返す刀で、幸タマモブラックタイにも、川田ダノンタッチダウンにも難癖を付けて無視した通りになった…と、ここまでは良かったのにね。と言っても〝遅かりし由良之助〟である。それにしても、馬連1万2900円、3連複2万7690円と高配当だなあ。まあ、私は100点買っても当たらないので、諦めも早い。唯一の救いは「自信のないGⅠだけに、投資は先週の天皇賞・春の半分以下で様子見したい」と買い控えし〝軽症〟で済んだことか。

内田博幸も超ベテランの域に達し、そろそろ引退の二文字も囁かれていたのだが「これがあるから騎手はやめられない」とばかりに、超久しぶりのGⅠ勝利で胸を張った。NHKマイルで内田といえば、こちらもアッと驚く人気薄大激走のピンクカメオだったなあ、と古い話を持ち出したりして。まあ、オッサンが頑張ってくれるのは素晴らしいこと(予想ではガン無視してすみません)。その騎手で言えば、ルメール大将がケンタッキーダービーへデルマソトガケで遠征し、ゲートで立ち遅れて6着という結果になり、〝お土産ナシ〟の帰国となった。その借りを今週まとめて返すか注目したい。

“映画連想馬券”の本命はサウンドビバーチェ

さて、その今週は、同じマイルでも〝牝馬の鉄〟としては力こぶが入るヴィクトリアマイルだもの。〝熟女牝馬〟は任せておくれ、としゃしゃり出てみよう。軸は〝手ぶら〟でも無事帰国祝いってことで、前出のルメール大将が乗るスターズオンアースに決めた。連覇のかかるアイドルホースのソダシと、恐らく1番人気を争うのだろう。ただ、ソダシは主戦の吉田隼からレーンに乗り替わるのも人気に拍車をかけそうだし(降ろされる形となった吉田隼には同情申し上げる)、鞍上強化に見えるが、絶対とも思えない。馬券圏内率を見れば、この〝2強〟では、ポカの可能性があるのはソダシの方かも? 今回、試練の大外となったのも軽くヤバい。ちなみにスターズオンアースは、メンバー中唯一の馬券圏内率100%ホースである。2番手には3番人気確実(?)の横山武ナミュールを抜擢したい。

相手は、もちろんソダシを無視には出来ないが、他に距離適正を考慮すれば、前走は京都牝馬S(1400メートル)での勝利だが、1600メートルは2戦2勝の菅原明ララクリスティーヌ、前走1600メートルの阪神牝馬S快勝の松山サウンドビバーチェあたりか。これに加えて秋華賞1着の坂井スタニングローズまで。

一方、海外帰り、前々走でスプリント戦を使ったのが気に入らない戸崎ソングライン、どうみてもスプリンターの浜中ナムラクレア、川田人気でもルージュスティリアあたりは今回無視する。

さて〝映画連想馬券〟だが、サウンドビバーチェから、テーマ曲〝サウンド・オブ・サイレンス〟が有名な『卒業』(67年)を取り上げよう。いわゆるアメリカン・ニューシネマの先駆けとなった著名作で、オスカー監督賞(マイク・ニコルズ)にも輝いた。大学を卒業した優秀な青年が、父親の知り合いの中年女性と情事を重ねるが、彼女の娘と知り合い、真実の愛に目覚め、ついには結婚式の最中に彼女を奪って逃走する…下世話に言えば〝母娘丼〟、〝花嫁略奪〟のご乱行なのだが、こんなにも爽やかな後味なのは、ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロスの主演コンビの魅力ゆえか?

買い目は、②から③⑤⑧⑪⑯へ馬連&3連複。スターズが3着に落ちる可能性も少し考慮し、⑪から馬連だけ③⑤⑧⑯へ。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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