空気階段(C)週刊実話Web
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「KOC2021」王者・空気階段インタビュー/養成所でゴミ扱いだった2人が大ブレーク

「キングオブコント2021」では、歴代最高得点で優勝、一気にブレークを果たした「空気階段」。現在は5月から始まる全国ツアーの準備など多忙な日々を過ごしているが、NSC時代、二人は「一軍」でじゃなく、それこそ〝空気〟のような存在だったとか。そんな二人がブレークに至るまでをざっくばらんに語り尽くす!


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――まずは、お二人の出会いからうかがえますか?


水川かたまり(以下、水川)「NSC(吉本総合芸能学院)東京校の17期生だったんです。僕らが入った2011年ごろってお笑いブームだったから、過去最多の800人くらい入学者がいたんですよ」


――そんなに! その中でよく出会いましたね。


鈴木もぐら(以下、鈴木)「結成したのは1年間のNSCが終わる頃です。声をかけたのは僕からですね」


――水川さんの魅力は?


鈴木「僕がコントをやりたかったんで、水川がやってたコンビはコントがしっかりと面白かったんですよ」


――水川さんはもぐらさんについて、どうでした?


水川「ネタ見せとかでコントは見てたので面白いなーと思ってましたけど、組むまでは人となりとかも知りませんでした。話したことなかったですよね」


――もぐらさんは当時から今のようなキャラで?


水川「いや、キャラも何も、NSCにあまり行ってなかったと思うんですよね」


鈴木「ネタ見せくらいですね、行ってたのは」


――もぐらさんは存在感がありそうですが。


鈴木「いやいや、存在感って言ったらうちらの代はコンビ名を入れたTシャツを作って着ていた〝一軍〟が覇権を握ってたんですけど、そこに入ってない僕らは透明人間ですよ。ネタ見せでも一軍同士は笑い合うんですけど、そこに入ってない人はゴミ扱いですから」


――そうなんですか?


鈴木「同期の『オズワルド』もそうですよ。いてもいなくても一緒っていう、村人Aみたいな存在でした」


――じゃあ今、みんなが笑わせてもらっているのは…。


鈴木「村人Aの芸です(笑)」

優勝する前から知名度はあった!?

――なるほど(笑)。12年に空気階段を結成されて、広くお名前を知らしめたのは『キングオブコント2021』優勝だと思います。

鈴木「そうですね。まず仕事量がものすごく増えましたよね。3位になったときもちょっと変わったんですよ。でも優勝するとこんなに違うんだと思いました」


水川「うんうん」


鈴木「お笑い色の強くないバラエティー番組にも呼ばれるようになりましたから。結局、優勝かそれ以外かなんですよね。1位にならないとダメなんだなと」


――聞けば、優勝した年は最後の挑戦だったとか。


鈴木「結成10年目で区切りも良かったですしね」


水川「キングオブコントに出たのは〝優勝したい〟より〝認知されたい〟っていう気持ちが強かったので、その前に2回決勝に出ていて『3回出れば十分だろう』って感覚もありました」


――認知が目的だったと。


鈴木「お客さんに、単独ライブに来てほしかったんです。コントだと、キングオブコントに出ているのが一番名前を知ってもらえるチャンスなんですよね」


――確かに、優勝される前から空気階段の認知度は高かったような気もします。


鈴木「18年の年末に『有吉のお饅頭がもらえる演芸会』(テレビ朝日系)に出て、面白かった芸人に有吉弘行さんがお饅頭をくれるんですけど、僕らが一番多くもらったんですよ。同時期に『あらびき団』(TBS系)にも出て、その辺からネタ番組に呼んでいただく機会が増えました。それまでテレビの仕事は全然なかったですから」


――そうなんですね。それがきっかけだと。


鈴木「そのあと、『有吉の壁』『有吉ゼミ』(ともに日本テレビ系)に呼んでいただいたときにスタッフさんが『饅頭』を見て面白いなと思ったので呼ばせてもらいました、って言ってくださったんで」


――そうやって繋がっていって、今に至るんですね。


鈴木「『饅頭』のオーディションに受かってなかったら、全然違う人生でしたよ」

ミステリアスな感じに憧れていた

――お二人は17年から『空気階段の踊り場』(TBSラジオ)もされています。

水川「『マイナビラフターナイト』(同)の優勝特典で15年と16年に特番をやらせていただいたのがきっかけです。山里亮太さんの『不毛な議論』(同)にもゲストで呼んでいただいたりしました」


鈴木「その放送を聞いた『爆笑問題』の太田光さんが面白いとかいろいろ言ってくださって、番組改編期に上層部の方が『あいつら面白いって話じゃない』って感じですね」


――お二人のラジオは、公開プロポーズをしたり、ぶっ飛んだ面白さがあります。


水川「二人とも、大人数がいるところでグイグイ行けないので、ラジオの『よかったら聞いてください』っていうスタンスが心地いいですね。ラジオが始まってなかったら、芸人として全然違う方向に行ってたかもしれないです。ラジオはスマートにやりたかったのに、想定通りに行かなすぎて」


――というのは?


水川「いい感じの仕事をして、その裏話とかをラジオで面白おかしく話したりしたかったんですけど…」


鈴木「スタイリッシュでミステリアスな感じに憧れてたんですよ。でも、僕ら芸人としての仕事が一切ない、バイトしかしてない状況でラジオが始まったんで、話すネタがないんです。お笑い界のこと、芸能界のこともまだ覗いていない」


――インプットがないと。


鈴木「そうなるともう生活のこととか、好きな人がいるとか、そういうものも言わなくちゃいけなくなってきちゃって、いつの間にかスタイリッシュでミステリアスな人じゃなくて、ラジオで好きな人に告白したりとか、なんでもかんでもラジオで全部言う人たちになってしまった(笑)」


――そういうことですか。


水川「初めてラジオ特番やらせてもらうってとき、僕は不安はなかったですね。もぐらの面白いエピソードはいっぱいあるし、『もし困ったら話そう』と思って箇条書きしてました」

まだいる〝隠れクズ芸人〟

――もぐらさんの破天荒エピソードはご経歴、ギャンブル、借金…どれを取っても面白いですからね。

鈴木「3年目くらいまで、自分では全く面白さに気づいてなかったんです。みんなそんな感じだろうと思ってたので」


――もぐらさんにとっては普通のことですもんね。


鈴木「そうですね。でもギャンブルとか、もっとみんなやってますから。借金してるとか言わないだけで、〝隠れクズ芸人〟はたくさんいますよ(笑)。女の子と毎日、遊んでる奴とかいますし」


――そうなんですか?


鈴木「誰とは言いませんけどね。そういう人間はぜひ吉本へお越しください」


――(笑)。さて、お話も尽きませんが、最後に5月から6度目となる全国ツアー「無修正」が始まりますね。告知できる範囲で教えていただければ…。


鈴木「これはトップシークレットですからね。もう楽しみに飢えて来ていただけたら」


水川「えー、新作コントをピー本やって、最後のコントではピー分のピーをピーします、って感じで」


――うーん、内容は言えないんですか。お二人にとってライブの魅力とは?


鈴木「テレビの前でネタを見てるのは、AVとかでシてるのと同じなんですよ。でも、AVで見てた女優さんを目の前にしてスるというのがライブなんです。この違いは大きいですよ。その魅力を味わっていただきたいですね」


――本誌向けのコメントありがとうございます(笑)。


水川「そうなると逆に、テレビで見ていた女優さんを目の前にしてデキないよって思う方がいるかもしれないですね。もう大いにシてくれて大丈夫です」


鈴木「ライブで横の席の人見てください。シてるんで(笑)。ライブ会場でみんながシてるのを見れば、もうあなたも思う存分にシていただけると」


――それがライブの魅力?


二人「そうです」


――本誌読者でも楽しめる内容になってます?


水川「間違いないです。単独ライブのお客さんは男女半々、年齢もバラバラで」


鈴木「『俺が行ったら週刊実話読者ってバレるな』っていうことはないですから(笑)。ぜひ安心して来てください!」


(文/有山千春 企画・撮影/丸山剛史)
右=水川かたまり、左=鈴木もぐら 鈴木もぐらは1987年、千葉県出身。水川かたまりは1990年、岡山県出身。ともにNSC東京校の17期生で、2012年にコンビ結成。『キングオブコント2021』では歴代最高得点を記録し優勝。テレビ、ラジオ、さらに劇場でと多忙な日々を送っている。◆2万人規模の全国ツアー 第6回単独公演「無修正」 5月から8月にかけて、東京、札幌、名古屋、千葉、岡山、大阪、仙台、福岡で単独ライブツアーの開催が決定。詳細は空気階段オフィシャルサイト内、「無修正」特設ページ