(画像)Andy.LIU / shutterstock
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2025年中国が「台湾統一」を掲げ日本侵攻!? 米国参戦で日本は米軍基地化へ

中国人民解放軍が日本に攻めてくる――。習近平国家主席は「台湾統一」を掲げて軍事侵攻も辞さない構えだが、実はその際、日本も攻撃対象になることはほぼ確実だという。2025年にも到来するXデーに向けて、日本の備えは間に合うのか。具体的な「有事の形」を緊急シミュレーションしてみた。


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最初はインターネットが不通になったり、携帯電話が断続的に通じなくなったり、ほんの少しの異変から始まる。銀行のATMでお金を下ろせなくなるなどの障害が多発する。


続いて鉄道施設や空港などで原因不明の障害が発生し、交通インフラが麻痺する。電気や水道、ガスなど社会インフラにも謎のシステム障害が頻発し、社会生活が混乱していく。これらは中国人民解放軍の『61398部隊』によるサイバー攻撃だ。


次の舞台は沖縄県の尖閣諸島だ。遭難を装った「中国漁船」が、同諸島の魚釣島に上陸する。そして、中国海警局の船が日本の海上保安庁の度重なる制止を無視し、「漁民」を保護するという名目で魚釣島に接岸する。海警局の公船には76ミリ砲が搭載されており、海保は手を出せない。


同じ頃、沖縄の嘉手納基地や神奈川の横須賀基地など、在日米軍の拠点に中距離ミサイルが着弾する。日本の最西端で、台湾から100キロ余りしか離れていない陸上自衛隊の与那国駐屯地や、航空自衛隊の那覇基地にもミサイルが降り注ぐ。極超音速ミサイルや変則軌道ミサイルは、迎撃することが極めて難しい。

中国が太平洋を狙っている…

日本各地の原子力発電所にもミサイルや自爆型ドローンが襲来する。さらには、中国初の国産空母『山東』から艦載戦闘機『J15』が離陸し、日本領空に接近する。自衛隊は『F35B』戦闘機をスクランブル発進させて迎え撃つ――。

これらが中国の日本侵攻シナリオだが、前述した複数の波状攻撃が、台湾侵攻と並行して展開されるとみる軍事専門家は少なくない。「台湾有事は日本有事」とよく言われるが、なぜ中国は台湾と日本を一体で攻撃対象としているのか。それには理由がある。


中国は「第一列島線」と呼ばれる防衛ラインを重視しており、これは中国が勝手に設定したもので、九州南部から沖縄、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を経て、南沙諸島やボルネオ島を結んでいる。


「中国は太平洋に進出する狙いを持っています。台湾侵攻の際、最大の邪魔者である米軍の空母戦闘群を近づかせないようにするには、原子力潜水艦でけん制する必要がある。ところが台湾海峡の周辺は水深が浅く、自由に航行しにくい。そこで水深が深い尖閣諸島周辺の海域を奪いたいと考えているのです」(軍事ジャーナリスト)


尖閣周辺の支配権を奪われると、原油や食糧などを輸入するシーレーン(海上交通路)を封鎖されることにつながる。日本にとって極めて深刻な事態だ。


それでは中国が台湾、そして日本に侵攻する時期はいつなのか。まず24年1月の台湾総統選挙が、侵攻時期を左右することになる。


「中国と距離を置く与党の民進党では、2期8年の任期を終える蔡英文総統に代わり、副総統の頼清徳氏が公認候補に決定した。一方、中国寄りの野党である国民党では、まだ総統候補が一本化されていないが、統一地方選では勝利している。総統選で国民党が勝てば、中国としては〝無血統一〟に大きく前進するが、頼氏が勝った場合は、中国が侵攻に踏み切る可能性が高まる」(大手紙外信デスク)

台湾有事に米国が直接参戦

24年には米大統領選挙も行われる。民主党のバイデン大統領が4月25日の朝、正式に出馬を表明した一方、共和党のトランプ前大統領も出馬を表明している。民主党と共和党、どちらが勝つにせよ、前回の大統領選のように国を二分する混乱が続けば、中国にとっては大きなチャンスとなる。

「米軍では台湾有事に際し、米中間で戦争になるという見方が強まっています。今年に入って米空軍司令官のマイク・ミニハン大将が、〝米国と中国は25年に戦うことになる〟という内部メモを作成し、空軍内で共有していたことが明らかになりました」(同)


米シンクタンク『戦略国際問題研究所』は今年1月、台湾有事のシミュレーションを行った。24のシナリオの大半で、中国の台湾占領が失敗に終わる結果となったが、日本は112機の戦闘機と26隻の護衛艦を喪失。米軍も空母2隻と10~20隻の大型艦艇、最大370機の航空機を失うとされ、民間人の大きな被害も避けられない。


同シミュレーションで中国の侵攻を失敗させるには、台湾有事に米国が直接参戦し、日本が米軍基地を自由に使わせることが絶対条件。それだけに、シナリオ通り事が運ぶとは限らない。


中国は用意周到だ。内モンゴル自治区などに広がるゴビ砂漠に、嘉手納基地や横須賀基地などを模したミサイル実験場を建設。新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠には米原子力空母やミサイル駆逐艦の実物大模型を設置して、攻撃演習の標的にしているという。


3期目に突入した習近平政権は27年まで続く。最大の悲願は台湾統一だ。日本も中距離ミサイルの配備を模索しているが、実際の運用には時間を要する。


中国は、やるなら早期に攻め込んでくる。もはや台湾有事があるかどうかというより、いつあるかという段階になっているのだ。