「私、日本で一番坊主頭が似合う女優よ」白血病治療の副作用を笑い飛ばした夏目雅子【著名人の壮絶な闘病3】
3月28日に死去した世界的な音楽家・坂本龍一さん(享年71)は、亡くなる数日前に家族や医師に「つらい。もう、逝かせてくれ」と頼み込むほどだったという。坂本さん以外にも、凄絶な闘病の末に旅立った著名人は多い。【関連】「すこし愛して」大原麗子の幻のシーンとは…昭和の大女優“体当たり演技”誌上再現!~Part3~ほか
1985年9月11日に亡くなった〝昭和最後の美人女優〟夏目雅子さん(享年27)。「急性骨髄性白血病」が死因と思われている人が大半だろうが、実は白血病の症状は消え、〝寛解〟の状態だったという。
「抗ガン剤治療で免疫力が低下し、風邪をひいたことで肺炎を併発。肺不全となり、数日の間で亡くなっています。医師や家族も、そこまで悪化するとは思っていなかったとされ、兄で実業家の小達一雄さんもインタビューで『予想外の出来事』と答えているほどです」(芸能記者)
六本木で雑貨商を営む裕福な家庭に生まれた雅子さんは、小学3年生の時にテレビドラマ『チャコちゃんハーイ!』を観て初めて女優になる夢を持ち、17歳のときに観たイタリア映画『ひまわり』の主演女優ソフィア・ローレンの演技に感銘を受け、本格的に女優を志す。
18歳でテレビCMに出演し、ドラマ『愛が見えますか』のオーディションで500人の中から選ばれ、盲目の少女役でデビューしたものの、ブレークには至らなかった。
「カネボウ化粧品のCM『Oh!クッキーフェイス』が彼女の運命を変えました。こんがりと日焼けした小麦色の肌に、抜群のスタイルのボディーを、極小ビキニで惜しげもなく披露し、大人気になったのです。当時19歳で、芸名も本名の小達雅子から夏目雅子に改名。このCMのディレクターだった作家の伊集院静氏と出会い、後に結婚しています」(前出・芸能記者)
30%以上の確率で命を落とす新薬治療
その後、ドラマ『西遊記』で「丸坊主姿」の三蔵法師役を演じて不動の人気を得るも、〝お嬢様女優〟などと揶揄されることもあり、一念発起。NHKドラマ『ザ・商社』で初の汚れ役に挑戦し、伝説の映画『鬼龍院花子の生涯』や『魚影の群れ』ではバストトップまで見せる濡れ場もいとわず、鬼気迫る演技で評価された。「流行語にもなった『鬼龍院花子』の有名なセリフ『なめたらいかんぜよ!』は、台本にはなかったアドリブだったそうです。これでブルーリボン賞主演女優賞を獲得。ついに女優としての地位を確立したんです」(同・記者)
ところが、人気絶頂だった1985年2月、初の主演舞台『愚かな女』に出演している最中に体調不良を訴え、緊急入院。「急性骨髄性白血病」と診断されてしまう。
「当時は不治の病で、雅子さんには病名が伏せられた。しかし、2度の抗ガン剤治療を受けても病状は改善せず、出始めたばかりの新薬を試すことになった。副作用も激しく、30%以上の確率で命を落とす。しかも髪の毛も抜け落ちると聞かされ、芸能界入りを最後まで反対していた母親も『髪は女の命よ。女優なのに』と動揺したそうです」(同・記者)
しかし、雅子さん本人はこう言ってのけた。
「私、日本で一番坊主頭が似合う女優って言われてるのよ。そんなこと気にならないわ」
いざ治療を始めると、副作用は想像以上で、髪が抜け落ちるだけでなく、激しい吐き気や倦怠感、めまいなどに襲われ、地獄のような苦しみを味わったという。
それに耐え、〝寛解〟状態と判断されたところで命を落としたのである。
雅子さんの死後、兄の小達一雄さんと母親は約4千万円の遺産をもとに、副作用で髪を失った闘病中の患者に「かつらを無料で貸し出す事業」を始め、多くの患者に勇気を与えた。
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