3月28日に死去した世界的な音楽家・坂本龍一さん(享年71)は、亡くなる数日前に家族や医師に「つらい。もう、逝かせてくれ」と頼み込むほどだったという。坂本さん以外にも、凄絶な闘病の末に旅立った著名人は多い。
2015年5月28日に亡くなった今井雅之さん(享年54)は大腸ガンだった。
兵庫県出身の今井さんは、陸上自衛隊を経て法政大に入学し、卒業後、俳優としてデビューした異色の経歴の持ち主だった。
「映画やドラマでは悪役からコミカルな役柄まで幅広くこなし、映画『静かな生活』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞も受賞した名優でしたが、バラエティー番組などでも活躍。自衛隊上がりの経歴を生かし、サバイバル企画や本州横断マラソンなどにも挑戦。芸能界で唯一無二のポジションを築いていました」(芸能記者)
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ライフワークの舞台を降板
しかし、14年の夏に腹部に痛みを感じ、最初は「腸の風邪」と診断されたが、再検査の結果、ステージ4の大腸ガンと判明した。
「今井さんは、原作や脚本、演出まで手掛ける多才な方でした。特攻隊を題材に、自身が原作・脚本を担当した舞台『THE WINDS OF GOD』をライフワークとし、国内外で様々な賞も受賞していたほどです」(同・記者)
屈強な今井さんでも病魔には勝てず、15年4月30日に会見を開き、『THE WINDS OF GOD』の降板を発表。激ヤセした姿でガンの闘病告白し、無念の思いを語った。
「もう生きているだけの状態になったら、いっそのこと殺してほしい。安楽死です。夜中にこんな痛みと戦うのは、そして飯が食えないのは本当に辛いです」
一方、同年9月には『THE WINDS OF GOD』の映画版の撮影が予定されており、会見で「秋までは何とか自分の体を持たせたい」と語るなど、復帰に向けた意気込みも見せていた。
「入院直前までTOKYO MXの『バラいろダンディ』にコメンテーターとしてレギュラーとして生出演。共演者やスタッフに心配をかけないように気丈に振る舞っていたそうです。サービス精神旺盛で、取材ではどんな質問にもユニークなエピソードも交えて答えてくれていました」(同・記者)
陸上自衛隊出身の猛者でも、会見で弱音を吐くほどの壮絶な闘病だった。
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