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「つらい。もう、逝かせてくれ」坂本龍一さんが残した言葉が物語るガン治療の苦痛【著名人の壮絶な闘病1】

坂本龍一さん
坂本龍一さん (C)週刊実話Web

〝世界のサカモト〟と評された音楽家の坂本龍一さん(享年71)が、3月28日に都内の病院で死去した。

坂本さんは、2014年に「中咽頭ガン」と診断され、治療の末に寛解したが、20年6月に「直腸ガン」が見つかり、「治療しなければ余命半年」と告げられた。

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「肝臓や両肺、リンパなどにも転移していたそうです。1年で6回の手術を受け、原発巣と転移した臓器の部分切除、大腸も30センチ失うなど、文字通り満身創痍になった」(芸能ライター)

手術後も通院して投薬治療を続けてきたが、最後の半年間は壮絶な闘病だったという。

「亡くなる数日前には、家族や医師に『つらい。もう、逝かせてくれ』と頼み込むほどだったそうです」(同・ライター)

男同士のキスシーン

三島由紀夫などを世に送り出した〝伝説の編集者〟坂本一亀さんと帽子デザイナーだった母・敬子さんの間に生まれた坂本さん。通っていた幼稚園の方針で3歳のときからピアノを始め、小2でバッハの音楽に衝撃を受け、音楽家を目指した。

東京芸大卒業後、大学院を経て、1978年に細野晴臣さんに誘われ、高橋幸宏さんとの3人組バンド「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成。シンセサイザーを使った斬新な音楽が海外でも評価され、世界ツアーを2度成功させた。

「俳優としても活躍し、83年に公開された映画『戦場のメリークリスマス』で、デビッド・ボウイさん(享年69)とも共演。男同士のキスシーンが話題になりました」(前出・芸能ライター)

同作では劇中音楽も手がけ、同じく音楽と俳優の二刀流で携わった87年公開の映画『ラストエンペラー』では、「米アカデミー賞」の作曲賞を日本人として初めて受賞。「ゴールデングローブ賞」の作曲賞、「グラミー賞」の最優秀オリジナル映画音楽賞も受賞するなど、世界的な賞を総なめし、〝世界のサカモト〟の評価を確固たるものにした。

今年1月には、YMOの高橋幸宏さん(享年70)が亡くなり、わずか3カ月後に坂本さんが旅立った。

弱音を吐かなかった坂本さんが残した「もう、逝かせてくれ」という言葉が、闘病の壮絶さを物語っている。

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