城之内早苗 (C)週刊実話Web
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『令和の“応演歌”』城之内早苗~バースデーに“初”となるライブハウスでのライブ(後編)

――2021年で歌手デビュー35周年を迎えました。35年の中で印象深かった出来事とは?


城之内 振り返ると、10代は好きなように歌い、20代ではどんな歌を歌えばいいか迷い、30代は歌がこんなにも楽しいのかと感じました。そして40代で怖さを知り、50代はコロナもあり、どう生きてどう歌おうかを考えました。各年代で思い出がありますね。


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――40代の怖さとは?


城之内 経験値も多少は上がり、物が言えるようになり、体力的にもまだまだ頑張れると思っていたんです。ところが、ステージで歌っている最中に急に声が出なくなってしまったんですね。気管支炎に罹ってしまったんです。私は、歌を歌えなかったら本当に何もできないんです。でも、30代より40代、40代より50代のほうが楽しいですね。


――昨年『しあわせワルツ』をリリースされましたが、これまでとは違う曲調なんですね。


城之内 コロナ禍で皆さん疲れてしまったと思うんですね。ですから、心が穏やかになるようなメロディーである三拍子のワルツが良いのではないかと。実は、この曲は作詞家のたかたかし先生が、お亡くなりになった作曲家の三木たかし先生から預かっていた曲なんです。


もともと、三木先生が作曲したテレサ・テンさんの『香港』という曲が大好きで、カバーをさせていただいたこともあるんです。生前の三木先生とご一緒する機会はなかったんですが、こうして遺作を歌わせてもらい幸せです。レコーディングに同席してくれた、たか先生からも「三木ちゃんに恥ずかしくないような曲を作ろう」と仰っていただいたんです。

“やりたいことは言葉にすると叶う”

――5月17日の城之内さんの誕生日にはバースデープレミアムライブが開催されるのですね。

城之内 ソロデビューしてから、心の中で〝こういうことをしたいな〟というのはあったんです。知り合いの方に「やりたいことは言葉にすると叶う」と助言されたことがきっかけで口にするようになりました。すると、30代でコンサートを開くことができました。口にすることは大事だと実感しましたね。


今回は「コロナ禍で難しいだろうけど、自分発信のライブをライブハウスで開催したい」と口にしたら、「できますよ。いつにしますか?」と関係者の方に叶えていただいたんです。5月くらいに開催したいと考えていたところ、バースデーライブになったんですね。


これまでキャンペーン以外でバースデーに関してのイベントを行ったことはありません。しかも、初のライブハウス。カラオケで歌っていいのか、何曲歌えばいいのか。そういったところから考え始め、大枠を決めました。


――どんなライブになるのでしょうか?


城之内 バースデーなので、『あじさい橋』をはじめ、これまで歌ってきた曲や先ほどの『しあわせワルツ』などを途中、ギターやピアノなどの演奏と一緒に手作り感満載のライブを作り上げられればと考えています。


私自身も初のライブハウスでのライブなので、どうなるかは分かりません。でも幸せを込めて歌います。また『週刊実話』読者の方々もそろそろ演歌が心に染みる年齢の方も多いかなと思いますので、ぜひ見に来ていただければと思います。


(構成/本多カツヒロ・写真/小田駿一)
じょうのうち・さなえ 茨城県神栖市出身。1985年『おニャン子クラブ』でデビュー。86年『あじさい橋』でソロデビュー。22年『しあわせワルツ』をリリース。5月17日『城之内早苗バースデープレミアムライブ』をMZES東京(東京都港区赤坂)にて開催。