
イチロー「僕のことを努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです」~心に響くトップアスリートの肉声『日本スポーツ名言録』――第50回
3月に開催された『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』で3大会ぶり三度目の優勝を果たした侍ジャパン。大谷翔平の快投とともに思い出されるのが、14年前の第2回大会で優勝を決めたイチローのセンター前ヒットだった。
4月から放映されている『アサヒスーパードライ』の新CMで「限界を自分でつくらない」「これから自分がどうなっていくか楽しみです」とのセリフを披露しているイチロー。その中でゴロに飛びつく姿は現役さながらで、今年10月の誕生日に50歳を迎えるとはとても思えない。
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2019年に引退してからはシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターとして活動。今もアメリカ在住で、CMはマリナーズのキャンプ地で撮影されたものだという。
日本においては学生野球資格回復研修を受講し、アマチュア野球指導者の道を目指しながら、それと並行して草野球チーム『KOBE CHIBEN』を友人たちと設立。19年12月の初試合では自ら投手として登板して9回131球完封。打っても4打数3安打の猛打賞と、引退後もなおレベルの差を見せつけた。
イチローは日米通算4367安打をはじめ、数多くの「世界初」「世界新」を成し遂げてきた。「日本での安打数を含めた数字は参考記録だ」「内野安打が多くてセコい」などと、一部アンチからの否定的な意見もあるが、そうしたことを差し引いてもなお史上最高レベルの世界的ベースボールプレーヤーであることに違いはあるまい。
小さな頃から自分を律して…
そんなイチローを多くの人は「天才」と呼ぶ。しかし本人は、「努力せずに何かできるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうだと思う。人が僕のことを努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです」と話している。04年にメジャーリーグのシーズン最多安打記録を更新した際にも、「小さいことの積み重ねが、とんでもないところへ行くただ一つの道だと思っています」と語ったように、たゆまぬ努力を続けてきたからこそ、それに応じた結果を残すことができたと、少なくともイチロー自身は考えているようだ。
小学6年のときの作文では「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。そのためには中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるようになるためには練習が必要です。僕は3歳のときから練習を始めています」と記しており、早い段階から自分を律して厳しい練習を積んでいたのが分かる。
ギャンブル漫画の金字塔『賭博黙示録カイジ』(講談社)の作中に「イチローはいけすかないマイペース野郎」という有名なセリフがある。現実のイチローがそうだというわけではなく、もしもイチローが負け続けの人生だったならば、きっとそのように人格まで否定されて、おそらく誰も相手にしないというのだ。
この言葉を逆に見れば、他者から「性格に難あり」と思われるほど物事に対して没頭し、真剣に取り組んでこそ、天才と呼ばれるほどの成功が得られることにもなるだろう。
そして、イチロー自身も「プロ野球に入るときもアメリカに来るときも、『おまえにはできない。やめたほうがいい』と言われましたが、もし、そんな声に出会っても、そんな声を聞く必要はありません」などと語っている。
あらかじめ予期していた決勝打
01年に日本人初のメジャーリーグ年間MVPを受賞したとき、イチローは「自分のプレーに驚きはありません。プレーそのものは自分の力の範囲内です」と話している。他者にはとても真似できない記録の数々も、「それ相応の努力をしてきたのだから当然だ」という自負を表した言葉だろう。09年の第2回WBCでイチローは、韓国との決勝戦まで不振に苦しんでいるようにも見えた。しかし、延長10回の一打勝ち越しの場面では、「どの球でもストライクゾーンに来れば、かなり高い確率で安打が生まれる感触は持っていた」と感じていたという。
そして実際に勝ち越し打を放つと、ベンチや日本中の野球ファンが沸き立つ中、内心で「跳び上がるほどうれしかった」と言いながら、「いつも通りに振る舞うほうがおそらく相手も悔しいだろうな」と、あえて塁上ではベンチを振り返ることもせず、無表情のまま冷静を装っていた。
結果を得るためにはあらゆる努力を惜しまず、感情に揺れることもなく、自分の思考を確実に現実化させる。こうしたことのできるアスリートは他になかなか見当たらない。
そんなイチローがいつか本格的に日本へ戻り、指導者の道を歩むようになったならば、プロ野球界はもちろんのこと、さまざまな分野においても何か新たな発展が起きるのではないか。そんな期待をせずにはいられない。
《文・脇本深八》
イチロー PROFILE●1973年10月22日生まれ。愛知県出身。愛工大名電高から92年にドラフト4位でオリックス入団。94年から7年連続で首位打者となり、2001年にポスティングでマリナーズへ移籍。メジャーリーグでもスター選手となった。
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