北朝鮮の金正恩総書記が4月18日、国家宇宙開発局を視察し、同国で初めてとなる軍事偵察衛星を計画された期間内に打ち上げるため、最終準備を急ぐよう指示したという。
具体的な打ち上げ期日は明かされていないものの、北朝鮮が弾道ミサイル技術を使った発射に踏み切れば、国連安全保障理事会の決議に違反することになる。その結果、朝鮮半島で一層の緊張が高まる事態は避けられない。
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「朝鮮半島での軍事衝突は、核戦争につながる可能性が極めて高い。なぜなら通常兵力と戦争継続能力で劣る北朝鮮は、核の先制使用に頼るしかない。すでに北朝鮮は核使用を法令化し、いつでも攻撃できるよう備えています」(外交関係者)
北朝鮮は4月13日にも、初めて固体燃料式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星18型』を試験発射した。固体燃料式のミサイルは、従来の液体燃料式よりも迅速に発射できるとされ、『火星18型』はロシアのICBMに大きさや形状が酷似しているという。
「ロシアによるウクライナ侵攻以降、日本をはじめ東アジアでは専制主義国家である中国や北朝鮮に対する脅威が急速に高まり、そのための備えが急務であると防衛力増強が叫ばれている。台湾や朝鮮半島の有事が、一気に極東全体に広がる恐れも出てきています」(軍事ライター)
仮想では済まない核攻撃…
浜田靖一防衛相は4月22日、北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを予告していることに対し、航空自衛隊の地対空誘導弾『パトリオットミサイル(PAC3)』を沖縄県内に配備するなど、自衛隊に「破壊措置準備命令」を出している。
台湾で米中が衝突した場合、米国は中国の軍艦や戦闘機を撃破しても勝利を収めることはできない。そのため中国の軍事基地を攻撃せざるを得なくなるが、ワシントン・ポスト紙は「もしそうなれば中国はICBMにより、米西海岸を含む米軍基地への報復攻撃を行う。大統領は中国との全面戦争を強いられる可能性が高い」と指摘している。
米国の北朝鮮分析サイトが作成した2017年の報告書『東京とソウルに対する仮想核攻撃』によると、北朝鮮が運用可能な核ミサイルを日韓の首都圏に発射した場合、「東京で約94万人、ソウルで約116万人が死亡する」と推定されている。
日本でも核シェルターの整備は喫緊の課題だが、政府には危機感が希薄である。
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