前回、福岡ソフトバンクホークスの藤本博史監督を訪ねて、宮崎キャンプに見学へ行ってきた話を書きましたね。スポーツ選手は、男女問わず物凄い人ばかりなんですよ。
俺らがまだ大阪にいた頃、うつみ宮土理さんや野口五郎さんが出演していた番組で、あのねのねがコントコーナーを担当していた。彼らは学業に専念したいとのことで番組を降板したんです。急きょ、B&Bにそのコーナーが変わることになったんですよ。
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他にレギュラー出演していたのが、女子プロレスラーのマッハ文朱さん。当時、女子プロレスの人気が出始めた頃で、マッハさんがブームを牽引していました。実際に会うと、背が高くてキレイな方でした。それにしゃべりも得意。だからテレビ番組にもよく出演していたんでしょうね。
でも、俺は本当に強いのかなと思い腕相撲を挑んだんです。俺も高校まで野球をやっていたから、多少は腕力に自信がありましたからね。でも、10回やって全部負けたんです。しかも「あんまり力を入れてないのに」と言われてしまう始末。
一度、一緒に焼き肉を食べに行ったこともありました。マッハさんのマネジャーさんやお付きの人も含め4~5人くらいでね。店に入るとマッハさんは「8人前お願いします」と注文していました。もちろん、マッハさんが1人で8人分食べるわけではないですよ。それでも4人前をペロッとたいらげると、他のものを注文していましたよ。
「そんなに食べて太らないんですか?」
「いやいや、たくさん練習しますから」
プロレスラーは、スクワットを何百回もしたりと厳しい練習を毎日のようにこなしているでしょ。しっかり練習しないとリングから飛んだりして、けがしますからね。それから俺は女子プロレスをテレビでよく見るようになりました。
男だから、女だからの区別はしない
他にも女性のスポーツ選手で凄いなと感心したのは、バレーボールの全日本女子選手ですね。当時、東京・千駄ヶ谷に住んでいた俺が近所を散歩していると、東京体育館で全日本女子が練習していたんです。練習を見ていると、選手はみんな大きいのなんの。しばらく見学していると休憩になった。「こんにちは」と声を掛けると、「こんにちは。洋七さん、サーブを受けてみますか?」と誘われたんです。名前は覚えていないけど、ある選手のサーブしたボールを受けると、あまりの球速にビックリしましたよ。
マッハさんやバレーボールの全日本女子のことがあってから、俺は男だから、女だからと区別しなくなりましたね。女性でも男性でも凄い人はむちゃくちゃ凄いんです。それを身をもって体験しましたね。
俺らは漫才ブームを作ったけど、女子プロレスのブームを作ったのはマッハさんです。マッハさんには、ブームになった女子プロを背負っている責任感のようなものを感じたし、一緒にテレビに出ていても不思議な魅力がありました。あれだけしゃべれるのは、もともと頭が良いんでしょうね。
スポーツ選手でも、引退後にテレビに出演する人は、もともとしゃべりが得意な人ばかりでしょ。しゃべりは生まれ持ったものが大きいんです。
島田洋七
1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。
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