中日の春季キャンプで臨時コーチを務める立浪和義氏が、どんな指導で若竜たちを覚醒させるのか、早くも注目が集まっている。しかし、与田剛監督は、自身の地位を脅かす存在に、警戒感を強めているようだ――。
「一軍スタートとなった注目の若手は根尾昂(18年・1位指名)のみで、期待される〝ドラ1たち〟すべてを預けることはしませんでした。将来の4番候補である石川昂弥(19年・1位指名)も二軍スタートとなりました」(名古屋在住記者)
一、二軍の選手の振り分けが発表された1月14日、与田監督はこうも語った。
「あれだけ経験豊富な選手ですから」
これは14年ぶりに帰還し、二軍スタートとなった福留孝介についてのコメント。ベテランが開幕に照準を合わせ、スローペース調整するのはよくある話。だが、与田監督が、福留が〝教え上手〟であることを知らないはずがない。
これは、「石川は福留に預けられた」と見るべきだ。
「昨秋のフェニックスリーグで、石川は困憊した様子だった。一軍スタートだったら、今年は『新人だから』では許されない。無理をさせたくないと思ったのだろう。昨年のドラ1ルーキー、高橋宏斗も二軍スタートです」(ベテラン記者)
球団創設85周年の今年は優勝が至上命令
阪神時代、福留は「鳥谷以上」とも目されていた。自身の練習に黙々と励む姿で若手を牽引するのが鳥谷敬なら、福留は若手に自ら話しかけ、ティーバッティングで同じ組になってアドバイスを送る。厳しく叱ることもでき、石川がそんな福留について学べば将来につながると思ったのだろう。
「昨秋のドラフト会議後、中京地区のテレビ局で高橋君は立浪氏と対談しました。もともと、中日ファンだった高橋君ですが、立浪氏の虜になっていました。そんなカリスマOBが臨時コーチでキャンプに行けば、影響力を持たないはずがありませんよ」(球界関係者)
根尾も定位置を争うまでに成長したら、立浪氏のお手柄となる。契約最終年を迎える与田監督からすれば、これは「面白くない」はずだ。だが、「石川も活躍した」という〝福留カラー〟が脚光を浴びれば、立浪氏の功績を消すことができる。
「立浪氏の臨時コーチ就任は大島宇一郎・新オーナーの一存で決まりました。球団創設85周年の今年、優勝できなければ与田監督もアブない」(同)
中日キャンプでは、首脳陣の〝覇権争い〟も見物だ。
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