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プーチン大統領「暗殺」に怯え“影武者”を量産!? ウクライナ侵攻で国内外に敵だらけ

ウラジーミル・プーチン
(画像)Anton Veselov / Shutterstock.com

ウクライナ東部を電撃訪問したロシアのプーチン大統領をめぐり、「影武者」説が流布している。かねてより、少なくとも3人の「偽者」がいるとの見方があったプーチン氏だが、ウクライナ侵攻という無謀な賭けに出た末に、核兵器の使用まで示唆する暴走で、国内外に敵が増えている。これまで以上に「暗殺」の危険を感じているようだ。

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ロシア大統領府は3月19日、ウクライナ東部ドネツク州のマリウポリをプーチン氏が電撃訪問したと発表した。プーチン氏はヘリコプターで現地を訪れ、自ら車を運転して市内の複数の地区に立ち寄り、地元の住民と対話。復興の様子を視察したが、その途中で住民から「真実ではない。すべてインチキだ」という野次が飛んだという。

マリウポリのあるドネツク州は、ロシアが一方的に併合を宣言した東部、南部の4州の一つ。制圧地域をプーチン氏が訪問することで、マリウポリには親ロシア派が多く、平穏に統治されていると印象づけるのがロシア側の狙いだった。

そんな茶番劇を地元住民が「インチキ」と告発したというのが一般的な認識だが、うがった見方をすれば、現地を訪れたプーチン氏が偽者だという疑惑に踏み込んだとも考えられる。

現地での映像を見ると、プーチン氏のあごの下の部分がたるんでいる様子がうかがえる。これが本物らしくないという指摘が広まったのだ。

プーチンが暗殺恐れる背景

ウクライナ内務省のゲラシチェンコ顧問は、プーチン氏がクリミア半島を訪れた3月18日、マリウポリを訪れた19日、さらには2月21日にモスクワで撮影されたという3枚の写真を並べ、それぞれあごの部分を丸で囲んで「どれが本物だと思う?」とツイッターに投稿した。ウクライナ紙は同ツイートを引用して「プーチンに似た男がマリウポリを訪れた」と報じた。

3枚の写真はいずれもあごの形が違って見えるが、特にあごがすっきりしている1枚については、3年前に撮影されていたことが分かった。つまり、この投稿については一種のフェイクニュースだったわけだが、それでも影武者説が消えたわけではない。

ロシア大統領府の内部事情に詳しい「反プーチン派」の間では、以前から影武者の存在がささやかれている。公式の場に出てきたプーチン氏を観察すると、あごの形のほか、耳の形や顔にあるほくろ、顔の部分のしわなどが違う場合があると指摘されてきた。

昨年10月、ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長(当時)は、「プーチンには少なくとも3人の影武者が存在する」と主張した。

「海外の要人を迎えるときなど重要な場面ではもちろん本物が出てくるが、民衆の前に出たり、危険地帯に行ったりする際は、影武者を使っているといわれている。プーチン氏は大統領就任後、若く見せるためにボトックス注射などの美容整形を繰り返してきたとみられるが、影武者もそれに合わせて整形手術をしているようだ。がんやパーキンソン病などを患っているとされるので、入院期間中も影武者を使うことが考えられる」(大手紙外信デスク)

そもそもプーチン氏に影武者説が浮上するのは、同氏が暗殺を極度に恐れているという背景があるためだ。プーチン氏は旧ソ連のKGB(国家保安委員会)出身で、大統領就任後も諜報組織を手足として使ってきたとされる。

政権を失えば戦争犯罪人に

ロシアでは政敵や亡命者が毒物で殺害されるケースが相次いだ。暗殺の手段を知っているプーチン氏だけに、自身の飲食物について徹底的に毒味するのはもちろん、屈強なボディーガード集団を抱え、地下要塞のような避難施設を持つなど、あらゆる方法を用いて身を守っているという。

だが、ウクライナ戦争以降、事情は変わってきた。早期にウクライナ全土を制圧するという当初の見込みは完全に外れ、戦局は泥沼化している。制圧したのは東部と南部の4州にとどまるが、それも欧米から戦車の供与を受けたウクライナ軍の反撃が近く始まれば、どうなるか分からない。

約30万人の部分的動員を行ったロシアだが、すでに死傷者は20万人を超えている。さらなる動員を行う可能性もあるため、国外に脱出する若者が続出し、労働人口の減少が顕著だ。これに西側の制裁が加わるため、プーチン政権が続く限り、経済的苦境は長期化することが予想される。

ついにプーチン氏は、戦術核兵器を隣国のベラルーシに配備すると言い出した。現状ではウクライナや同国を支援する西側諸国への威嚇の面が強いが、ロシアが追い込まれた場合、本当に核のボタンを押しかねず、それを防ぐには同氏を強制的に排除するしかない。

さらに、国際刑事裁判所(ICC)は占領地域からの子供の連れ去りなどの戦争犯罪の疑いで、プーチン氏に逮捕状を出している。

プーチン氏が大統領職に居続ければ逮捕される可能性は極めて低いが、「政権を失った場合は、容疑者として引き渡されることも考えられる。プーチン氏が法廷で秘密を暴露する前に、口封じをしたいと考える利害関係者も少なくないだろう」(同)という。

「動機」や「背景」はいくつもある。プーチン氏が生きていては都合が悪いと考える人間が、国内外に数多くいることも明白だ。

プーチン氏が影武者を使いたい気持ちも分からないではないが、こうした状況を招いたのはすべて自分が原因。自業自得である。

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