開幕3連敗スタートとなった千葉ロッテマリーンズ。本拠地の千葉市では統一地方選挙開始とともに市議会議員選挙も告示され、市民が無関心でいられない「本拠地球場・ZOZOマリンスタジアムをどうするのか」という行政問題も浮上。地元出身のあの人物も見え隠れして、チーム状況よりカネの話が喫緊の問題に？

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「今年1月5日の仕事始めで、ロッテの高坂俊介球団社長が球場を改修するか、建て替えか、それとも移転させるかで検討を始めていると明かしました。高坂球団社長は『2年以内に具体的な計画を示してくるはずだ』とも話していました」（地元メディア）

つまり、改選される市議会議員たちが、ZOZOマリンの新構想を決めるのだ。

「移転先が他の自治体になるとは考えにくい。千葉市は球団を応援するバナーを市内120カ所以上に掲出します。今季からユニホームの左袖に地元銀行のスポンサーロゴも加わりました。球団と千葉市の関係は良好です」（同）

また昨シーズン、佐々木朗希が史上最年少での完全試合を達成させたことで、地元財界も強い関心を寄せるようになった。

球場問題には、この「令和の怪物」の存在も大きく影響してきそうだ。

「20年3月の市議会で、ZOZOマリンの老朽化問題が取り上げられました。千葉県議を介して得た情報だと、市内の別の場所に新球場を建てる案が有力です。19年から3年を掛けて大掛かりな修繕工事も行われ、その総額は約9億円。でも、電気設備の劣化なども見つかり、千葉市は球場所有者として新球場構想に舵を切ったそうです。予定している市の予算は、約80億円。広島カープのマツダスタジアムをモデルとし、官民一体となって進めていくようです」（スポーツライター・飯山満氏）

意味深な「80億円の予算」

この「80億円の予算」が、意味深なのだ。

西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームは17年から3年掛けて大型修繕工事を行ったが、その費用は約180億円。マツダスタジアムの建設費用は約90億円で、話題の新球場エスコンフィールドHOKKAIDOは約600億円を要した。80億円では、ドーム球場は造れない。また、改修費用としても不十分である。

「熊谷俊人知事が千葉県知事選前の21年3月、『ZOZOマリン近くの駐車場に新球場を』と公言しました。この計画が進まなかったのは、千葉市側に別の狙いがあったからです」（前出・地元メディア）

その狙いとは、新球場の建設と「市の活性化」をリンクさせるためだ。

「ZOZOマリンの老朽化を早めたのは、浜風です。水分と塩分を含んだ風がコンクリートを傷めていきました。千葉市は新球場を造るのなら、経営が厳しい千葉都市モノレール沿線と考えており、周辺一体も賑わうようにしたいと考えています」（地元関係者）

だが、「官民一体」となってこの計画を進めるとなれば、球団や地元行政が無視できない人物もいる。16年12月から現球場のネーミングライツの権利を持つ、『ZOZOTOWN』創業者の前澤友作氏だ。

「前澤氏は18年にロッテ球団を買収しようとし、失敗しています」（前出・地元メディア）

佐々木朗希のメジャー挑戦が早まる!?

だが、今も命名権を持ち続けており、前澤氏の「郷里千葉県が大好き、地元球団も大好き」という気持ちは変わっていない。

興味深いのは、前澤氏の自宅「通称・前澤御殿」が千葉モノレールの沿線に近いこと。新球場計画を「周辺地域の活性化」に重ねるのであれば、総資産2200億円ともいわれる地元大富豪の協力は絶対に必要だ。

「前澤氏が出てくれば、エスコンフィールド級の再開発事業に一変します。ドーム球場の計画にグレードアップするでしょう」（同）

あとは、球場指定管理者であるロッテの出方次第だ。

「球団買収騒動がまだ尾を引いている」との声も聞かれた。

「前澤氏は球団買収を諦めていないともいわれています」（同）

「新球場の主導権を握る」という意味で、ロッテ側にもリンクしてくる〝重要案件〟があるという。

「佐々木のメジャー挑戦です。WBCで刺激を受け、かつメジャースカウトも『完全試合を達成させた力はホンモノだった』と評価を高めています。米球界のルールを指して、安く買い叩かれる25歳以下での挑戦はないと目されてきました。でも、新労使協定なら、プロ6年を過ぎれば、年俸面で制限されることはありません。26年の24歳でメジャーデビューできます」（球界関係者）

佐々木の譲渡金を出資すれば、行政の言いなりになる必要はない…？　統一地方選挙後、千葉市がざわついてきそうだ。