スポーツ

巨人V奪回へ“1勝1000万円の報奨金”を用意?WBC見送りは『日本一』のためか

東京ドーム
東京ドーム (C)週刊実話Web

2023年のプロ野球が開幕した。セ・リーグはヤクルト、阪神、DeNAによる3強の優勝争いと思われ、巨人は「4位以下」の評価。しかし、巨人首脳は優勝に自信を隠さない。根拠は「特別報奨金」。バブル期を彷彿とさせるニンジン作戦で優勝まっしぐら!?


【関連】巨人ドラフト1位浅野翔吾が“熱男”松田宣浩の先導で「球団史上64年ぶり快挙」へ? ほか

※※※※※※※※※※※※

日替わりヒーローの誕生で、巨人が赤丸急上昇! これを牽引するのが、「1勝につき1000万円」の報奨金。WBCの放映権を見送った日本テレビの「10億円」が原資だという。ナベツネ主筆の「世界一より日本一」戦略で、伝説の〝勝利の方程式〟復活か!?

「今年は何がなんでも3年ぶりのリーグ優勝、11年ぶりの日本一。そろそろ隠してきた能力を爆発させて、日本一の貫禄を示していただけると思っている」

開幕前恒例の「巨人軍激励会」で、読売新聞グループ本社の渡邉恒雄代表取締役主筆がV宣言した。自信の根拠は「1勝1000万円」の特別報奨金。論功行賞による「G資金」ぶんどり合戦の復活にある。

王貞治監督(1984年からの5シーズンで優勝1回)が退任し、藤田元司が監督に返り咲いた当時の巨人は強かった。1勝ごとに1000万円の報奨金が用意され、選手が目の色を変えて戦っていたからだ。

89年、90年は84勝、88勝でぶっちぎり優勝。当時は、バブル真っ盛りで、巨人戦のテレビ中継料が1試合1億円といわれた時代。売上協力費として日本テレビなどから勝利試合に伝説の特別報奨金が出ていた。

「このニンジン効果で、89年は斎藤雅樹が20勝、桑田真澄17勝、槙原寛己12勝。原辰徳監督も現役で、日本シリーズは近鉄に3連敗を喫した後、4連勝で逆転日本一に輝いた。当時の強さを良く知る渡邉主筆が、伝説の必勝法復活のアイデアを出したと聞く」(スポーツ紙デスク)

WBC放送見送りで報奨金確保

地上波の巨人戦視聴率が1桁台に低迷し、広告収入が見込めない中、今の日本テレビにそんな体力があるのか。疑問の謎解きは、先のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の「放送見送り」にあった。

WBCはメジャーリーグ機構(MLB)が選手会と立ち上げたWBCIと読売新聞社の共同主催。大谷翔平やダルビッシュ有の侍ジャパン人気で予選ラウンドの会場となった東京ドームの日本戦前売りチケットは即刻完売。巨人は岡本和真、戸郷翔征、大勢、大城卓三を送り出し、吉村禎章、村田善則がコーチとして栗山英樹監督を支えた。

当然、日本テレビは中継局の一つになると思われたが、なぜか見送り。代わりにTBSとテレビ朝日が獲得した。両局の期待通り、侍ジャパンは世界一となり、日本戦の全試合が視聴率40%超えを記録。一方、日本テレビは2013年から9年連続獲得中だった個人視聴率3冠が絶望的になった。

日本テレビはWBCの放送を見送ったことについて、「8月のバスケットボールW杯(日本、フィリピン、インドネシア)、9月のラグビーW杯(フランス)に注力するため」などと説明しているが、民放クラブの記者は違う見方をしていた。

「それより巨人の優勝支援が大きい。渡邉主筆が言う『世界一より日本一』。グループを挙げた報奨金の捻出を優先したのでしょう」

今回のWBCの日本国内放送料は20億円といわれ、TBSとテレビ朝日がそれぞれ10億円程度を支払った。逆に、見送った日本テレビは10億円を温存した形に。これを原資に「1勝1000万円」の支援態勢が整ったのだ。

「昨季のセ・リーグの優勝ラインは80勝。つまり、8億円で優勝を狙う。クライマックスシリーズ、日本シリーズで2億円の追加投入も準備する。渡邉主筆96歳、長嶋茂雄氏87歳。共に体調は万全ではない中で、巨人軍の日本一を心待ちにしている。戦力的に優勝が難しい以上、おカネで戦況を変えるのが手っ取り早い。豪華ニンジンで優勝ゴールに一目散、という作戦」(前出・デスク)

実際の評価は“4位以下”

巨人が最後にリーグ優勝したのは20年シーズン。今季は巻き返しに、ソフトバンクから「熱男」松田宣浩、広島から長野久義を獲得。先発要員にパイレーツから20年に右肘のトミー・ジョン手術を受けたT・ビーディ、ブルージェイズからF・グリフィンを獲得。現役ドラフトでも、楽天のオコエ瑠偉をゲットした。

これで駒は揃ったものの、投手陣は右肘に張りを訴え、初の開幕二軍スタートとなった菅野智之、昨季37セーブで新人王に輝いた大勢もWBC優勝の燃え尽き症候群か、状態不良。打撃陣では坂本勇人がスキャンダルからスランプ続きで、投打の屋台骨はぐらついているのが実情だ。

優勝予想も上位に名を連ねるのは三冠王・村上宗隆を擁して2連覇中のヤクルト。岡田彰布を監督に呼び戻し、4番・大山悠輔、5番・佐藤輝明を固定させて「あれ」を狙う阪神。トレバー・バウアーを電撃的に獲得した昨季2位のDeNA。大方がこの3強のV争いで、巨人の評価は「4位以下」。カンフル剤がなければ、優勝は覚束ない。

「ただし、鼻先に巨大ニンジンがぶら下がっているため、巨人が下馬評を覆す可能性はある。査定は試合ごとに行われるが、藤田巨人時代と違い、支給は優勝が前提。V逸なら絵に描いた餅となり、どっちに転んでも球団にはメリットしかない。究極のV奪取作戦です」(巨人OBの解説者)

開幕戦では、初の外国人開幕投手ビーディが好投したが、1点リードの終盤で守護神・大勢が使えず、昨季最下位の立浪中日に逆転負け。しかし、2・3戦目はニンジン効果で、先発投手陣がリベンジ。グリフィンが好投し、さらに中田翔の2試合連続の本塁打、不安視された大勢の復活、そして元盗塁王の梶谷隆幸や埋もれていた鍵谷陽平、田中豊樹も好リリーフで原監督の登用に応え、見事に開幕カードを勝ち越した。

「高額ニンジン効果」で、今季の巨人は下克上状態。戦力過多でファームでホコリをかぶっていた選手たちが次々に活躍。菅野、坂本といえども、うかうかしていられない。

ナベツネ主筆の思惑通り、巨人はこのままセ界を制するのか。

あわせて読みたい