LiLiCo☆肉食シネマ～『エスター ファースト・キル』／3月31日よりTOHOシネマズ　日比谷ほか全国公開

監督／ウィリアム・ブレント・ベル
出演／イザベル・ファーマン、ジュリア・スタイルズ、ロッシフ・サザーランド、マシュー・アーロン・フィンラン
配給／ハピネットファントム・スタジオ

夏が来るまで、まだまだ時間はありますが、私は我慢できません。紹介させてください！　伝説の作品と語り継がれているホラーサスペンス映画『エスター』の続編がキタァーーーー！

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皆さんは2009年に公開された『エスター』はご覧になられましたか？　怖い映画が苦手な方に〝ホラー入門〟としてオススメしているのがこの作品。急に何かが出てくるような〝脅かし系〟のアメリカチックなホラーではなく、〝ずっと何かが変…〟という怖さ。映画好きの間では公開時からすぐに、永久保存版の名作と称賛されました。

そして今回、噂では聞いてたけど続編がやっと日本に上陸。でも、前作を見た方は（こればかりはネタバレさせたくないのでオチは言わないけど）、〝どういう物語を描くの？〟ってなりますよね。私もそう思いました。この映画は続編といいながらビギニング的、つまり〝始まり〟の作品です。

なるほど納得…と思いつつも、〝やっぱり限界はあるよね？〟と少々、疑心暗鬼で試写会に行った私。はい、そんな心配は吹っ飛びました。〝こういう展開だったの!?　おもしろーーーい！　誰かに話したい！〟と大興奮。

4年ぶりに戻ってきた娘は…

シリーズものって先に続編を見てから前の作品を見る人がいますが、これは絶対に前作をチェックしてから友達と一緒に映画館に行ってほしい。もちろん、すでに見た方はうろ覚えでも大丈夫。あのオチは、絶対に忘れていないからね。

早く誰かとストーリーをシェアしないと自分の心が爆発しそうな気分（笑）。前作からエスターを演じているイザベル・ファーマンは、引き続き今回も主役…じゃないとね（見た方はうなずいてるはず）。ホラーって、怪物、幽霊、人形と、いろいろあるけど、世の中で何が一番怖いかは人それぞれ。そして、タイトルにもある「ファースト・キル」までの道のりは？

ある家族の娘が行方不明に。4年ぶり帰って来たその娘は驚くほど成長していて、まるで別人。そう、何かが変。しかし、ずっと悲しみに暮れていた家族はエスターを迎え入れて生活を始める…。しかし、エスターの姿に違和感しかない家族と溺愛する家族。ここが両極端で、男女の気持ちの違いを見事に使ってホラーにしているところがすごい。ここから、とんでもない展開が繰り広げられます。

前作から14年間待ったかいがありました。私から、ホラーサスペンスアカデミー賞の最優秀作品賞を差し上げたい！

LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。