『マッシブ・タレント』
監督/トム・ゴーミカン
出演/ニコラス・ケイジ、ペドロ・パスカル、シャロン・ホーガン、アイク・バリンホルツ、アレッサンドラ・マストロナルディ、ジェイコブ・スキーピオ、ニール・パトリック・ハリス、ティファニー・ハディッシュ
配給/フラッグ
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自分がコメディーやお笑いを見たときに、しばしば発する最大級の褒め言葉なんですが、「バカバカしい」を贈りたい映画です。
叔父が映画監督フランシス・フォード・コッポラという家系に生まれた芸能サラブレッド、ニコラス・ケイジ。1995年の『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞主演男優賞を受賞。その後、『ザ・ロック』、『コン・エアー』『フェイス/オフ』など自分も題名ぐらいは知っているアクション大作に次々と主演し、ハリウッドを代表するスターになりながらも、浪費癖、借金、5度の結婚のアップダウン人生。それでも諦めず、低予算映画に出演し続け、莫大な借金を完済した後に出会ったのが本作らしい。自身のどん底から脱出するまでの人生を徹底的にパロった作品です。
チラシに「はじめましての方も、お久しぶりの方も、新たなニコラス・ケイジの代表作にご期待ください」とありますが、ほとんどお初な自分も楽しめるバカバカしさ(←しつこいですが褒め言葉です)。
映画には、おそらく何かの名シーンのオマージュだろうなと思われる場面が随所に仕込まれています。
元映画作品を知っている方は何倍も楽しめる!
例えば、大した高さでもない壁に先によじ登って、仲間を引き上げようとするも力尽きて落としてしまうシーンとか、元映画を見てなくても、パロディーだと何となく分かるんですよね。出演作をよく知っている方なら、なおのこと、世界観に没入して何倍も楽しめたのではないかと思われます。
中でも注目したのは、「特別室」。CIAのスパイの任も負うニック・ケイジが最大レベルで警戒しながら入室してみれば、過去の自分の作品の小道具や衣装、フィギュアなどマニア垂涎の品々が並んだ鏡張りの部屋。自分が収集している往年のスターグッズもこんな風に並べられたら…と思わずガン見してしまいました。
さて、「固定イメージがついたスターに本人役を演じさせる」という設定は洋の東西を問わず、珍しいものではありません。最近でいえば、昨年秋に放送された秋元康企画・原作のテレビ東京ドラマ『警視庁考察一課』。2時間サスペンスドラマで主役を張る豪華キャストが一堂に会して出演しています。船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、内藤剛志、名取裕子、高島礼子が同じ課にいるという着想だけでおかしいわけです。
大東京警察署の船越慶一郎が〝GAKE〟と書かれた脚立の上で、壁に貼られた波の写真を前に、事件解決への考察を披露するなど、バカバカしさ満載でした。
同じパターンでスタローンやシュワちゃんなど、映画にできそうだと思った次第です。
やくみつる
漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。
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