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JRA重賞『弥生賞』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web

先週の阪急杯は、堅軸と思われた岩田望グレナディアガーズがまさかの7着敗退…。しかし、私もしぶといのか、買い目にも記したように対抗の横山和アグリからも買っていたので、馬連2430円を何とか引っかけた次第だ。2着の浜中ダディーズビビッドは結局3番人気。先週の文中で「3番人気は、連はおろか3着にも入らぬドツボぶり。さて〝魔の3番人気〟はどの馬?」と書き、前々日予想ゆえ見極めの難しさをつぶやいたものだ。私はこのコラムを担当させて頂く以上、買い目は必ず守るのが矜持だと思っているので、前売りで購入し、レース前「ダディーズビビッドが3番人気かぁ。てっきり横山典ルプリュフォールだと…」と苦虫顔になったが、終わってみれば「助かり、助かり」とエビス顔なのだから世話はない。直前予想ではこういう結果にはならなかっただろう。

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まあ、的中とはいえ、わずかにトリガミなので威張れない。でもほぼチャラでシノぐ、というのも長年の競馬好きとしては肝心なこと。イーブンパーでいいんだ、ですな。これで4連勝。ただ、トリガミでも〝勝ち〟? とツッコまれそう。正確に言えば〝4連続的中〟です。ハイ。

ところで、もう一つの日曜重賞・中山記念は、ご贔屓松山が乗るヒシイグアスから買って馬連5千ナンボ、3連複2万ナンボを取れて(今年重賞初万券! あまりに嬉しくて的中投票券をコピーした)、エビス顔の日曜日となった。先週の驚きは、横山武が7勝の固め打ちで東西リーディング首位に立ったこと(2着の差でルメール大将を抜く)。先週不在だったそのルメールを始め、川田も、坂井も戻って大混戦が始まりそう。騎手でも楽しむ者として目が離せない。

“映画連想馬券”の本命はセッション

さて今週は、春のGⅠ戦線への最重要ステップの一つ「弥生賞」。問題は1番人気必至の横山典トップナイフ一強でいいのか、である。確かに暮れのGⅠホープフルS2着の実績は断然。2番人気候補のM・デムーロ騎乗グリューネグリーンは、昨年11月の京都2歳Sでそのトップナイフを下しており、あとは全部400万の1勝馬だもの。とはいえ、物差し通りに行かないのが競馬の常。先週も前記の阪急杯で単勝170円のグレナディアガーズ、中山記念で単勝230円のソーヴァリアントが掲示板にも乗らない凡走を喫した。トップナイフの重箱の隅を突つけば、データ的に6戦以上の馬は凡走傾向、初の断然1番人気の重圧は? というところか。

同様にグリューネグリーンについても、前走・ホープフルSが負けすぎ(11着)の感もあるし、400万組も差はないはず。遠征帰りの川田が連続騎乗のはずだったグランヴィノスが回避したため、私の本命馬が宙に浮いた。10頭立ては少しさみしいが、例年10~13頭でフルゲート割れが通常だし…。一応、前記のホープフルS組2頭は無視できないが、加えて、前走GⅢ組の松山タスティエーラも共同通信杯で勝ったファントムシーフからコンマ2秒の4着なら侮れない。ご贔屓松山も先週の重賞勝ちで頼もしい。あとはオープン・若駒S2、3着から参戦のルメールが乗るワンダイレクト、ムルザバエフ騎乗のセッションを。トリガミ覚悟で計5頭。

例によっての〝映画連想馬券〟だが、今週は映画題名そのものの馬が2頭出る。ゴッドファーザーは誰でも判るとして、もう1頭は『セッション』(14年)。野心家の学生ドラマーと鬼コーチの常軌を逸した特訓を描いた人間ドラマで、鬼コーチ役のJ・K・シモンズがオスカーの助演男優賞を受賞した。監督はその後、大ヒット作『ラ・ラ・ランド』(16年)などを撮るデイミアン・チャゼルで、現在、最新作『バビロン』(22年)が公開中だ。彼の監督作の中では、この『セッション』が一番だと思っている。監督自身が高校時代に体験したジャズバンドでの訓練をもとに脚本を執筆した自伝的作品に近いものだという。なるほどね。

買い目は、本命が絞り切れず、苦し紛れの②④⑥⑧⑩の5頭ボックス馬連&3連複。偶然にも偶数馬番ボックスにも成った。吉兆と思おう。一方、これまで軸馬2頭作戦が功を奏しているので、買い方変更が凶と出るのか心配だが、トップナイフを信じ切れず、こうなったので悪しからず。目指せ、5連勝!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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