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JRA重賞『フェブラリーステークス』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web

「せめて3着…、届け! 届いてくれ!」とゴール前、当方の心の絶叫が効いたのか、わが本命の川田が乗るダノンザタイガーが、直線何度か進路が塞がり、切り返すロスがありながら、上がり33秒6の鬼脚で、こじ開けるようにギリギリの鼻差で3着を確保してくれて、ホッと胸をなでおろした前週の共同通信杯であった。この瞬間、今年の当コラムの戦績が○●〇●のオセロ状態から脱して、先々週のきさらぎ賞に続いてめでたく○○の初連勝と相成った。

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先週の文中でわざわざ〝一昨年も、昨年もゲットした実にゲンの良いレース〟と記した甲斐があったというもの。これで共同通信杯3年連続的中の〝ハットトリック〟だよ。惜しむらくは今年は馬連を逸し、3連複2480円のみで儲けはわずか…とは贅沢な感想かな。この日、馬友のS氏、N氏が久々に競馬場に駆けつけ、予想合戦、競馬談義に明け暮れて大いに盛り上がった。3人とも善戦健闘、特にN氏は共同通信杯3連単的中の快挙で堂々プラス決算の天晴れ! やっぱりライブはイイ。馬友と一緒なら、なお楽しい。

勝ったのはルメール大将の乗るファントムシーフ、2着はバシュロ騎乗のタッチウッドで、外国人騎手のワンツーとなった。実はこの2人、直前の9レース、10レースではともに1、2番人気の馬に乗り、馬券にも絡まない凡走で波乱を演出し、我々を唖然とさせたが(当然馬券は大外れ)、それがメーンの重賞では〝お手々つないで〟1、2着とは…競馬は本当に難しい。そのルメール大将だが、先週まで重賞で1度も連対せず、〝平場の大将〟に成り下がったと思った矢先の重賞快勝劇だもの。このところ、当コラムではずっとルメール大将のことを書いて『週刊ルメール』と化しているが、それだけ気になる存在ということなので、お許しのほどを。

“映画連想馬券”の本命はレモンポップ

いよいよフェブラリーS。今年最初のGⅠなので力が入る。ざっとメンツを眺めれば、これは根岸S快勝のレモンポップだろう。1ハロン延長も好敵手ギルデッドミラーが引退したとなれば心配ご無用。前回鞍上の戸崎が別のお手馬ドライスタウトを選び、坂井に乗り替わりとはいえ、売り出し中の若手だけに〝鞍上弱化〟ではない。それにしても、レモンポップVSドライスタウトとは〝飲み物対決〟みたい。ビール好きとしては後者をオーダーしたいトコだが、ここはレモンポップを1番手として、祝杯といきたい。

問題は3番手以降だ。昨年の2着馬だが、前記ルメール大将で根岸S大凡走(昨年は本番前に連勝)のテイエムサウスダンなど前走・根岸S組は、3着以下ではデータ的に厳しいので全消し。東京に良績のない横山武ショウナンナデシコ、初の外国馬参戦でモレイラが乗るし話題先行に映るシャールズスパイト、地方競馬で成績抜群とはいえ中央の水は厳しい(?)御神本スピーディキックも敢えて切ろう。それなら中央・地方と成績安定の浜中メイショウハリオや、昨年の根岸Sを快勝、フェブラリーSは無念の6着だった川田レッドルゼルのリベンジに賭けよう。穴では人気薄の7、8歳馬が好走傾向なので、昨年4着からの巻き返し期待の菅原騎乗ソリストサンダー、最後のGⅠ騎乗となる福永のオーヴェルニュも。

さて〝映画連想馬券〟だが、大本命のレモンポップから、レモンといえば、オールドファンならジャック・レモンを思い出す。喜劇を中心としたハリウッド映画随一の名優で、代表作なら、ビリー・ワイルダー監督の『お熱いのがお好き』(59年)あたりか。私は、公開時はさすがに間に合わず、10代以降、テレビ放映や名画座で何度か観たものだが、戦前のギャング時代を舞台にしたドタバタ・コメディーで、実に面白い! 抗争による虐殺の目撃者となった男2人(ジャック・レモンとトニー・カーチス)が、追っ手の目をごまかすため女装するハメに。汽車で出会った美女マリリン・モンローもからんで、てんやわんやの逃走劇が続く。ウクレレを弾きながら歌うモンローも魅力バツグン。今観ても最高に楽しいはずで、ジャック・レモンが女装のカツラを取るラストのギャグと名セリフまで、LGBTQの昨今にも通じる中身で、名作は色褪せず、ですなあ。

買い目は⑦から④⑤⑥⑪⑮への馬連&3連複。万が一の4着以下も考え、④から⑤⑥⑪⑮へ馬連&3連複を少々。目指せ、3連勝!!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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