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横浜DeNAが“野村ID野球”導入!? 裏番・古田氏が「ハマの番長」アシストか

横浜スタジアム
横浜スタジアム (C)週刊実話Web

「ハマの番長」こと三浦大輔監督率いる横浜DeNAベイスターズに、元ヤクルト監督で野村ID野球を受け継ぐ古田敦也氏が「裏番長」で緊急参戦! 昨季、ホームで17連勝した「内弁慶」を進化させ、南場智子オーナーに悲願の優勝を届ける青写真か!?

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キャンプイン早々、野村ID野球の第一人者・古田敦也氏の横浜DeNAベイスターズ陣営入りが発覚した。米大リーグ、ダイヤモンドバックスで臨時コーチを務めることをテレビ番組で自ら明かし、球界に「〝裏番長〟としてハマの番長・三浦大輔監督をアシストするのでは」との情報が広がった。

例年、古田氏はかつて在籍したヤクルトの沖縄・浦添キャンプで臨時コーチを務めている。しかし、今年は2月12日で切り上げて渡米し、2月末まで米アリゾナ州で行われるDバックスの春季キャンプで指導する。

「見逃せないのが、Dバックスが2019年から横浜DeNAと戦略的パートナーシップを締結していることです。チームオペレーションやコーチング、アナリティクス、人的交流を続け、今季もJ・B・ウェンデルケン投手を獲得。傘下のマイナーチームで投手コーチを務めるM・ガルシア氏を沖縄・宜野湾キャンプで特別コーチとして迎えています」(スポーツ紙記者)

ヤクルトに配慮してか、古田氏は「Dバックスに招待された」と説明しているが、本誌が入手した情報を総合すると、今回の渡米は「横浜DeNAとDバックスの人的交流の一環」という。ベイスターズOBの解説者は、「メジャーのデータ解析と野村ID野球を融合させ、圧倒的なホームでの強さをアウェーに拡張させるのが狙い」と読み解く。

“裏番長”と呼ばれる由縁

具体的には、Dバックスを通じて、NFL(アメリカンフットボール)の情報分析・伝達の手法を調査し、日本球界にフィードバックするのだ。

「野球と違い、アメフトでは指揮官が2人いる。1人はフィールドで指揮する監督(ヘッドコーチ)。もう1人は、観客席上方から俯瞰的な視点で攻撃フォーメーションをチェックし、相手の動きを看破して監督に取るべき最良の作戦を伝えるコーディネーター。古田氏に期待するのは後者。これが〝裏番長〟と呼ばれる由縁」(前出・解説者)

遅まきながら、メジャーリーグも2016年から専用アプリを使って試合中のiPad(またはAndroid)を使ったデータ活用を導入している。しかし、日本のプロ野球は、試合中のiPad使用ばかりか、スマホの持ち込みも禁止だ。

情報伝達の機能のある電子機器は基本NGで、コーチが紙資料を手に、選手に指示を出す。球界には、ベンチ内のタブレット端末の使用を解禁しなければMLBに太刀打ちできないという危機感がある。

「昨年末、古田氏は日本プロ野球名球会の新理事長に就任。山本浩二氏からバトンを受け、最初に取り組もうとしている改革提案の一つがこの問題。この分野に詳しく、球界改革に最も熱心なのがDeNAの南場智子オーナー。そこでタッグを組んだのだろう」(同)

「横浜反撃」をスローガンに掲げた就任2年目となった昨季の三浦監督は、石井琢朗、鈴木尚典、斎藤隆氏らをコーチに招請。最後までツバメ軍団に食らいつき、最下位から2位に躍進した。「横浜頂戦」に上方修正した今季は、1998年以来の日本一を獲りに行く。

横浜DeNAの際立つ特徴は、「ホームゲーム」での圧倒的な強さだ。昨季は6月28日の阪神戦から8月21日の広島戦にかけて、本拠地・横浜スタジアムで17連勝。12球団の現本拠地での最多連勝記録を更新した。

日本人初のメジャー監督へ

「2016年に横浜スタジアムの株式を約74億円で買い取り、球団のグループ会社にしたことが大きい」

やっかみも込めて、こう口を揃えるのは他球団幹部。球場内の各所には、グラウンドの状態の掌握やトラブル防止を理由に高性能カメラを設置。試合中、球場スタッフが管理室で看視・監督しているが、その映像や情報は球団も共有する。

横浜DeNAには、ユニホーム組とは別に、親会社のゲームアナリストや統計専門家などで編成されたスペシャルチームがある。試合中は近くの別室で情報を分析し、紙資料でベンチに伝達。しかしホームだからこそなせる業で、設備や待機スペースのないアウェーの試合ではこうはいかない。

ところが、ネットメディアなどの中継で数台のカメラ映像から好きなアングルを選べる「マルチアングル映像」機能を設ける動きが進み、状況が一変。観客席上方から俯瞰的に両軍の動きを捉えることが可能となり、古田氏にコーディネーターを期待したのだ。

横浜DeNAは、昨秋、2年契約を満了した三浦監督に続投要請し、複数年契約を結んだ。古田氏のベイスターズ監督就任は当面なさそうだが、それでも陣営入りするのはなぜか。そこには〝ある野望〟が透ける。

Dバックスのケンドリック・オーナーは今年1月、球団株の相当量を売却する方針を提示。筆頭株主を降りる考えはないが、エンゼルスが球団売却を中止したことで手を挙げた買い手に経営参画を呼びかけている。

DeNAも含め、日本の投資家がこれに関心を寄せており、実現すれば「日本人初のメジャー監督」を目指す古田氏の夢が近づく。今回の渡米臨時コーチの受諾は、この流れを読んだ先取り決断との見方もある。

DeNAがベイスターズを買い取ったのは2011年末。以来優勝は一度もなく、陣営の「今年こそ南場オーナーに初Vを」の意気込みは強い。2連覇ヤクルトの〝頭脳〟強奪で、セ界の勢力地図が変化しつつある。

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