大関貴景勝の13場所ぶり、3回目の優勝で初場所の幕を閉じたばかりの大相撲界が、騒然としている。千秋楽から3日後の1月25日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議が開かれ、初場所に幕下15枚目格付け出しで7戦全勝優勝した落合のデビュー1場所での十両昇進が決まった。
これは、いかにすごい記録なのか。これまでアマで実績を上げて幕下10枚目格に付け出された力士は3人、15枚目格に付け出された力士も20人いるが、1場所で十両に駆け上がった力士は皆無。輪島も武双山も雅山も遠藤も2場所かかっている。それを落合は易々とやってのけた。もちろん、史上初の快挙だ。
落合とは、いったいどんな力士なのか。
「まさに令和の怪物ですよ。小学校4年で相撲を始め、鳥取城北高校では2年、3年と連続して高校横綱になっている。その後、右肩を痛めて1年間、実父の会社に籍を置きながら母校の鳥取城北で稽古する日々を送りました。この間、全日本実業団選手権で優勝。幕下15枚目格付け出しの資格を取り、満を持して元横綱白鵬の宮城野親方のもとに入門した。末恐ろしい逸材と言っていいでしょう」(大相撲担当記者)
怖いもの知らずの“初場所”
身長179センチ。体重も156キロあるにもかかわらず、50メートルを6秒台で走る俊足の持ち主でもある。
「この身体能力の高さを活かして、四つになってよし、突き・押しよしの万能型。初場所の決まり手も、寄り切り、内掛け、押し出し、突き落とし、とまさに変幻自在だった」(同)
昨年7月に部屋を継承したばかりの宮城野親方も、「まさかこんなに早く関取を作りたい、という望みが叶うとは」と、愛弟子の早すぎる出世に大喜びだった。
「もちろん、不安材料はある。初場所は〝怖いもの知らず〟で突っ走ったが、来場所は当然、周囲も研究してくるはず。宮城野親方も『体もそんなに大きくない。早く“こうなったら絶対”という自分の型を作れ』と注文を付けています」(同)
落合には、1場所で十両通過も期待されている。
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