『エンドロールのつづき』
監督・脚本・プロデューサー/パン・ナリン
出演/バヴィン・ラバリ、バヴェーシュ・シュリマリ、リチャー・ミーナー、ディペン・ラヴァル
配給/松竹
今回の作品は、映画愛の詰まった1本です。インド映画と聞いて、あなたの脳裏をよぎるのは、多人数での美女のダンス、煌びやかな衣装、そして強めのメイクでしょうか。あるいは、去年10月に公開され、大ヒットした映画『RRR』のようなド派手なアクションを駆使した、新しいタイプの作品?
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この『エンドロールのつづき』は、そのどちらでもなく、どことなくヨーロッパっぽい。でも、そこにはインドの暖かな風が吹いていて、街の匂いや雑音まで伝わってくる魔法のような作品に仕上がってます。
これは、パン・ナリン監督自身のお話で、映画へのラブレターです。主人公、9歳のサマイ(バヴィン・ラバリ)は、親に連れて行かれた映画館の大きなスクリーンに映し出されるさまざまな色合いに惚れ込み、そこから毎日が映画のことで頭がいっぱい。道に落ちている色硝子の破片を拾っては、それを通して世の中を見るようになる。硝子の色が違っていれば世界も違うように映る、まさに映画のフィルムと同じ。サマイは、とにかく映画館と繋がりを持ちたくてあの手この手で忍び込む。当然、怒られたりもするが奇跡的な出会いもあったりして、サマイはどんどん映画に魅了されていき、そして成長していくのです。
カラフルな温かいインド映画のパワー満載
日本は自由に映画館に行けます。仕事帰りやデートなど、まさにゼイタクなひとときを満喫できる。この作品は、そんな楽しみのひとつ、〝映画とはそもそも?〟を考えさせてくれる、とてもハートウォーミングなインド映画なんです。
改めて、踊らないヒューマンストーリーのインド映画は、こんなにも素敵な作品になるのかと驚き。また、映画愛もすごいけど、登場するおいしそうな料理の数々にも惚れ込みました。これらは監督のお母さんが実際に作ってくれていたものらしく、色鮮やかなものばかり。なんでも、監督の弟さんが完璧に再現してくれたそう。つまり家族愛にも溢れている作品なのです。
時代が変わるにつれ、映画はフィルムからデジタル化に。でも、ノスタルジーを感じながら、生まれ変わるフィルムたちは、やはりカラフル! これは、劇中のお楽しみです!
映画も人もそれぞれの〝色〟を持つ。この温かいインド映画からパワーをもらって、今年こそ躊躇せず、あなたの持っている色を前面に出して、やりたいことに突き進んでください。そんなあなたを応援します!
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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