社会

鳥インフルの猛威!鶏肉・卵の価格“過去最高”で庶民をさらに脅かす…

(画像)Stock for you / Shutterstock.com

強毒性を持つ高病原性鳥インフルエンザが全国各地で猛威を振るっている。昨年末までに殺処分されたニワトリは800万羽近くに迫り、今年に入っても感染は広がる一方だ。

農林水産省によると、今季の農場・施設での高病原性鳥インフルエンザの発生件数は23道県、54例(1月3日時点)で、過去最多の52例(2020年11月〜21年3月)を更新した。

「約800万羽の殺処分は、2005年から06年の約578万羽を超えて過去2番目の規模です。今後もこのペースが続くと、20〜21年の約987万羽を上回り過去最悪の殺処分が予想される。当然、鶏肉と卵の価格も高騰している。〝物価の優等生〟とされる卵は、昨年12月の卸売価格がMサイズ1キロで284円。前年同月比で74円も高い。これは1993年以降の最高値です。今後も価格は値上げが予想され、庶民の食生活を脅かしそうです」(食品アナリスト)

性質が変わり感染が広がりやすく…

環境省によると、今季の高病原性鳥インフルエンザの1例目は昨年9月25日に神奈川県に飛来した野鳥から採取され確認された。例年であれば、海外から多くの渡り鳥が飛来する10月下旬以降に最初の感染が見られたが、今季は1カ月以上も早かった。

「それ以降、北海道、岡山、香川、鹿児島、愛知、千葉、福岡など全国に飛び火している。環境省の担当者は『全国どこでも発生のリスクがある』と警鐘を鳴らしています」(全国紙記者)

これまでに発生した家禽の鳥インフルエンザは、いずれも致死率が高い『H5亜型』が検出されている。

「今シーズン、日本で検出されたウイルスの型は世界的に流行しているものと同じ。夏の間、シベリアに集まった渡り鳥の間で受け継がれたものだが、2014年以降ウイルスに含まれる遺伝子の性質が変わり、これまで以上に野鳥を媒介しての感染が広がりやすくなっているのが特徴です」(同)

北海道では、道民のソウルフードのザンギ(唐揚げ)も高騰。札幌市が市内のスーパーで調査したところ、国産鶏肉の値上げ幅は15%にも上っている。

今年も庶民の食生活は厳しくなりそうだ。

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