日本大学のスポーツ推薦合格者が発表され、その中に昨季、史上最年少で三冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆の弟、村上慶太内野手(九州学院高)の名前があった。他にも甲子園経験者はいるが、この春からの4年間は村上弟に〝日大の命運〟が託されることになりそうだ。
「昨年は付属病院の建て替え工事をめぐり、2億2000万円もの資金が不正流出する事件があり、逮捕者も出してしまいました。アメフト部のアンフェアなタックルをきっかけに、他のスポーツ部の暴力的指導も明らかになり、評判はガタ落ちでした」(社会部記者)
付属病院の建て替えで所得税法違反に問われた田中英寿元理事長が、有罪判決後も関係施設に出入りしていたことが発覚。大学側は「不正流出の巣窟」ともなった日大事業部を解散させるなど〝クリーンな新体制〟の構築に努めているが、いまだ厳しい目を向けられている。
「それでも有望なスポーツ学生が集まったのは、池江璃花子のおかげでしょう。大病を乗り越え競技に復帰した経緯もあり、日大は嫌いでも彼女を応援する人はたくさんいます」(同)
プロになるための育成…
だが、その池江も今年3月の卒業後については明言していない。スタッフとして日大に残る確証がないため、村上弟に期待が集まっているのだ。
「村上弟は、夏の甲子園大会後の国体でも本塁打を放っている。努力家だし奮闘ぶりが兄の活躍ともダブる。東都リーグで活躍してくれたら、大学のイメージも変わってきます」(関係者)
村上弟は「プロ志望届」を提出していたが、結果は「支配下の下位指名か育成」との評価だった。事前に「育成での指名なら、進学か社会人」とプロ側に伝えていたため、4年後の支配下指名を目指すこととなったが、一方ではこんな声も上がっている。
「東都リーグで活躍して当然の逸材だけに、プロレベルに引き上げられなかったら、日大の指導力が問われます」(高校野球指導者)
日大が生まれ変わったかどうかは、村上弟の成長が判断材料となりそうだ。
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