昨年大みそかの『第73回NHK紅白歌合戦』第2部(午後9時~11時45分)の平均世帯視聴率が35.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区/以下同)を記録。2021年の34.3%を、かろうじて1.0ポイントだけ上回った。
「それでも視聴率は歴代ワースト2位。2部制になった1989年以降、2年連続の歴代最低更新は回避したものの、手放しでは喜べない状況です」(放送担当記者)
番組は、同時・見逃し配信サービス「NHKプラス」でも生配信され、「#NHK紅白」が長時間にわたってツイッターの世界トレンド1位となるなど、今後に向けて明るい要素も。
「昨年の紅白は例年以上に若い視聴者を意識した歌手選考が目立った。そのおかげで、ネットやSNSでも若者の関心を呼んだのかもしれません」(同・記者)
しかし、瞬間最高世帯視聴率は白組の福山雅治が自身初の大トリで『桜坂』を熱唱した第2部の午後11時39分で39.5%。第1部(午後7時20分~8時55分)もラストに登場した紅組・坂本冬美の『お祭りマンボ〜スカパラSP〜』の午後8時49分で瞬間最高35.2%だった。
第1部の視聴率は過去ワースト
こう見ると、NHKが狙った若年層の視聴者をターゲットとした歌手は期待したほどの高視聴率を記録しておらず、やはり中高年層の視聴者が多いことが分かる。
「それより問題なのは、第1部の視聴率が31.2%と過去ワーストを更新していることです。このままだと、近いうちに30%を割り込んでしまうことは確実。一時のように民放各社が格闘技や『笑ってはいけないシリーズ』といったキラーコンテンツを用意しておらず、強力な裏番組があったわけでもないので、この数字は大問題ですよ」(NHK関係者)
1988年までは1部・2部に分かれておらず、午後9時からの放送だったが、50%以上の視聴率を記録していた。このため、〝原点回帰〟するべきだとの意見も出始めているという。
「午後9時からの放送にする〝時短案〟が浮上しそうな気配があるんです。これなら視聴者の興味を分散させることもなく、経費の削減にもつながる。さらには出場歌手も今まで以上に厳選しなければならず、『なんでこの人が選ばれてるの?』というような歌手もいなくなり、番組のクオリティー向上にもなるというわけです」(同・関係者)
〝原点回帰〟なら、視聴者も中高年に絞って出場歌手を選び、「若者に媚びる枠」は2〜3組にすれば視聴率もV字回復しそうだが…。
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