今年8月、『崎陽軒』(本社=横浜市)のシウマイ弁当の具材が59年ぶりにマグロからサケに変わった。1週間限定とはいえ、歴史に残る決断を下したのは、約3カ月前に就任したばかりの野並晃社長だった。
【「シウマイ弁当」の一部食材変更について】
「鮪の漬け焼」の原材料である鮪の必要数量を確保することが難しく、2022年8月17日(水)から8月23日
(火)までの期間、一時的に「鮭の塩焼き」へ変更いたします
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— 崎陽軒【公式】 (@KiyokenOfficial) August 9, 2022
「原材料不足による苦肉の策でしたが、ファンの間では『超レア!』と話題になり、多くの売店で連日完売になりました。その余波は、本来の弁当が復活した後もしばらく続きました」(経済紙記者)
過去に2つのイタい失敗…
苦肉の策が一転、話題を呼んだわけだが、同社の臨機応変な対応力は過去の失態で培われたものだったようだ。
「実は、同社は過去に2つの失敗をしているのです。2013年にサンドイッチ専門店事業に参入したが、売り上げ目標を一度も達成できないまま2年で撤退。また、以前は全国のスーパーでシウマイを販売したものの、〝横浜名物〟というブランド力を損ない、首都圏中心の販売に切り替えた。地元に根差すブランドに徹することで、ナショナルブランドにも劣らない販売力を身に着けたのです」(前同)
つまり、このチャレンジ&エラーの精神が、「サケ・シウマイ弁当」の販売につながったと言えるのだ。