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JRA重賞『朝日杯フューチュリティステークス』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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う~む、典型的な〝ヒモ荒れ〟に泣いた阪神JFの結果であった。〝映画連想馬券〟でも取り上げた川田リバティアイランドが胸のすくような快勝! それは良いのだが、2着がなあ…。何と、あっと驚く12番人気のシンリョクカだもの。チェ、真冬の季節なのに〝新緑か〟かよ、と毒づくしかなかった。

木幡初鞍上の抽選突破馬なんて歯牙にもかけなかった、というか、失礼ながら出走していることすら記憶にないほど無印。こうして、3週続けて勝利で〝ハットトリック〟を目指したわが馬券は不発に終わり、馬券はハナもかめない紙くずと化した。おまけに3着の吉田隼ドゥアイズが10番人気、4着のイーガン騎乗アロマデローサが13番人気、5着の原ミシシッピテソーロに至っては16番人気…と掲示板5頭中4頭を2ケタ人気馬が占めて、当方は頭がクラクラ。もしリバティの激走なかりせば、ソラ恐ろしい馬券になっていたはず。くわばら、くわばら。

それにしてもリバティアイランドの強さったら、素晴らしすぎる。〝魔の1番人気〟の呪縛も何のその。イクイノックス以来、今年のJRA平地GⅠで2頭目の1番人気勝利となった。鞍上の川田も、ホントにコロナ陽性だったの? と言いたくなるほどの頼もしさで、当日騎乗出来るか、と心配したことが嘘のよう。これは私の勝手な感想だが、〝健常者ならもはやコロナはさほど怖くない〟ということを、身をもって証明してくれたのかも、と楽観的に思いたい。

さて、今週も難解な2歳GⅠ戦だ。前回で〝5頭ボックス作戦〟をヘグったので一旦休止。変わり身が早いというか、節操がないというか。そこで今週は〝軸一頭作戦〟で行く構えだ。本命は坂井ドルチェモアでどうだろうか。このレースと相性の良いサウジアラビアRCを優秀な時計で快勝したのが何より強み。横山和からの乗り替わりがどうかだが、坂井瑠だって今年晴れてGⅠジョッキーの仲間入りだもの。遜色はなかろう。あとは1番人気に推されそうなことが懸念だが、先週川田リバティアイランドが払拭してくれたので、心配ない(と思う)。

“映画連想馬券”の本命はダノンタッチダウン

相手筆頭には、頼れるその川田のダノンタッチダウン。末脚勝負なので〝届かない〟不安もあるが、そこは本年度リーディングをほぼ手中にしている彼だけに(一時、戸崎が猛烈に追い上げてきたが、現在はいわゆる〝脚色が一緒〟というヤツ。もう安全圏か?)騎手の腕で大丈夫、と思いたい。

そんなダノンの追撃を、前走デイリー杯2歳Sで逃げ切ってかわした大野オールパルフェ、サウジアラビアRCで逃げ粘ってドルチェモアの2着とした松山グラニットも、〝逃げ馬不利〟のデータを承知の上で外せない。新馬勝ちから直行馬の不利も定説だが、選べば横山武レイベリングか。同じく新馬勝ちで阪神経験済み・時計も悪くない藤岡康エンファサイズや、千四までの経験しかないが、イーガンに乗り替わるコーパスクリスティ、同様に武豊を乗せてきたフロムダスクにも気があったが、揃って不利な8枠に入ったので目をつぶって消し。代わりにルメール大将の〝珍名〟オオバンブルマイを騎手目当てで押さえたい。〝珍名〟なら、他に角田河ウメムスビ、横山典ドンデンガエシがいるが、千六経験から後者を選ぼう。

さて、〝映画連想馬券〟だが、本命ドルチェモアからは、映画をうまく連想出来なかったので、ヒモの有力馬ダノンタッチダウンから、アメフト映画『スーパー・タッチダウン』(91年)を。誰にも期待されていない〝寄せ集めチーム〟が、まさかの大躍進、というのはスポーツものではありがちな展開だし、著名俳優も出ていないが、個性的なメンバーが揃って楽しめた一篇。そんな男臭い連中に混じって、女子サッカーのストライカーというフレ込みの紅一点を演じたキャシー・アイアランドに公開当時、一目惚れしたものだ。水着モデル出身だけあってボディー抜群、おまけに肩幅もあり(私は肩幅美人フェチなのだ!)、アメフットの肩パットが要らないほど(笑い)。ゴツいヘルメットを外すと目も唇も大粒な美貌でモロ、私のタイプ! ただ、この作品ぐらいしか目立たず、その後の彼女については定かではない。あれから30年余。あの人は、今…。

買い目は、軸②から③④⑦⑧⑫⑭へ馬連&3連複。②は3着までは堅いと思うけど、念のため、馬連だけは対抗⑫から③④⑦⑧⑭へ。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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