『トゥモロー・モーニング』
監督/ニック・ウィンストン
脚本・音楽/ローレンス・マーク・ワイス
出演/サマンサ・バークス、ラミン・カリムルー、ジョーン・コリンズ、ハリエット・ソープ、ジョージ・マグワイア
配給/セテラ・インターナショナル
なぜこんなにも師走は忙しくなるのか!? 映画を紹介している私にとって年末年始は、とにかくスケジューリングがうまくいかない。海外の大作映画が続々と上陸しますが、日米同時公開が多いため試写会がなかなか回れないのです。〝皆さんに素敵な作品を紹介したい。LiLiCoが2人いたら良いのに〜!〟と思う一方で、もう1人のLiLiCoはフラストレーションが爆発しそうで怖い〜!
さて、ここ数年いろんなミュージカル映画が公開されています。私は個人的に、昨年公開された『イン・ザ・ハイツ』と『ディア・エヴァン・ハンセン』がお気に入り。見逃してしまった方は、年末年始のお休みを使って、この2本の名作をぜひ見てほしいです。
そんなミュージカルつながりで今回ご紹介したいのが、とってもキュートな映画『トゥモロー・モーニング』。題名を訳すと「明日の朝」。〝いろんなことがあっても、明日の朝は来る!〟これは昔から私が心の中で思ってること。例えば「フラれて大号泣しても、また太陽は昇る」そう考えると、不思議と大したことないことだと認識する。これを繰り返しながら、私は大人の階段を上ったわけです。
守れなかった家庭もすべてが愛おしい
この作品は、永遠の愛を誓い合った男女が人生を共にしますが、時間とともに歯車が噛み合わなくなった夫婦の話。キャサリン(サマンサ・バークス)とビル(ラミン・カリムルー)の2人の離婚前夜と結婚前夜の思い出が交差する、リアリスティックだけどロマンチックなストーリーです。
画家と小説家を夢見た2人の結婚から、あっという間に10年。子供にも恵まれたけど守れなかった家庭。ただ、暗過ぎないのがこの映画の素晴らしいところ。周りの友達が夫婦の悩みを軽減し、キャサリンのお母さんと、そのまたお母さんがとにかく面白い。〝あんな2人がいたら幸せ!〟と思うけど、キャサリンにとっては悩みの種。彼女の男の遍歴もクスッと笑えれば、結婚生活のさまざまな形が、なんとも愛おしい。
ミュージカルも、突然街中の人たちが列を作って踊ったりするようなものではなく、自然な流れで歌うのが良い。本格的な歌唱力でハモリも美しく鳥肌もの。ちなみに、この作品は大ヒットミュージカルの映画化。私は1曲も知らなかったけど、すぐにこの世界観に引き込まれて、笑いと涙で心が温かくなりました。
彼女や奥さんと冷めた関係になってたら、ぜひ一緒に見に行ってください! 愛が復活するかもしれませんよ〜!
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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