悪徳商法の1つで、健康食品や魚介類などが代金引換で届く『送りつけ商法』の被害者が、年末に向け急増しているという。
送りつけ商法とは、注文していない商品を勝手に送りつけ、その人が断らなければ買ったものとみなして代金を一方的に請求する商法。国民生活センターに寄せられた手口の例としては、いきなり電話が掛かってきて「新型コロナの影響で経営が苦しいので、カニなどの魚介類のセットを買ってほしい」と〝泣き売〟。「いらない」と何度断っても「送ります」と告げ、強引に電話を切るというもの。
「実際に送られてきたカニと魚介類のセットは、値段に見合わない粗悪品でした」(事件ライター)
実は先日、本誌記者宅にも怪しい電話が掛かってきた。北海道小樽市の市場関係者を名乗る水産業者から夜8時ごろ、着信があり「いい毛ガニが手に入った。市場に出せば1匹2万円するものを特別に1万円で」とまくしたてた。断ると一変、ドスの利いた声で「食べてみてくれ。保証する」と吐き捨て電話が切られた。翌々日、送れてきたカニはスカスカの水ガニだった。
規制強化で即処分
送りつけ商法自体は、以前から問題になっていた。全国の消費者生活センターには毎年4000〜5000件の相談が寄せられていたことから、昨年7月に送りつけ商法の規制が強化され、改正特定商取引法の施行に基づいて、注文していない不審な商品が一方的に送りつけられた場合、代金を払わず、すぐに処分できるようになった。
「それまでは〝14日ルール〟で送りつけられた側がそのまま14日間、保管しなければならなかった。法改正で14日間ルールが撤廃され、受け取った側は直ちに商品を捨てられるようになった。もちろん、代金を払う必要もありません」(消費者庁関係者)
送りつけ商法に遭った本誌記者が、警鐘を鳴らす。
「お歳暮の季節に便乗して、送りつけ商法は活発化する。何はともあれ、身に覚えのない代引き商品が届いたら即処分、業者は無視することに限ります」
悪徳商法には、ご用心。
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