過去10年を振り返ってみると、とにかく堅い決着が多いことに気づく。3連単は、2013年に22万馬券が出ているものの、10万円超はその1回だけ。特に近5年は、1〜5番人気馬が3着までを占めており、伏兵台頭のシーンは皆無となっている。
極端な穴狙いは避けたほうがいいかもしれない。なお、外国馬の馬券圏内は、05年のウィジャボード(3着)まで遡る。日本馬中心の戦略でよさそうだ。
★軸馬=シャフリヤール
3歳春までがダービー優勝も含めて4戦3勝3着1回、3歳秋以降が5戦1勝3着1回のシャフリヤール。ダービーまでの走りが鮮烈だっただけに、近走はやや物足りなさを感じてしまうが、馬場や相手関係が毎回異なる海外を転戦しながら大崩れしていない点は、評価すべきだろう。陣営の秋の大目標はこのジャパンCで、休み明けの天皇賞・秋(5着)を叩いてピークの状態で出てくるはず。歴代最多のジャパンC4勝を誇るディープインパクト産駒だが、今年の参戦はこの馬だけ。記録をさらに伸ばせるか。
★相手=ダノンベルーガ
前走の天皇賞・秋は、逃げ粘って2着だったパンサラッサと、それを差し切ったイクイノックスが目立っていたが、ダノンベルーガも勝ち馬に次ぐ32秒7の上がりで3着(シャフリヤールには0秒4先着)。皐月賞、ダービーともに4着だったことを考えれば、ひと夏を越して一段成長した姿を見せつけたレースだったとも言える。出走を予定している日本の3歳はこの馬だけ。上の世代の牡馬とは2キロの斤量差があり、ここも当然、上位争いの期待がかかる。
★相手=ヴェルトライゼンデ
4歳から5歳にかけて、1年半近い休養があったヴェルトライゼンデ。復帰戦の鳴尾記念を制したあと、前走のオールカマーは7着だったが、ここまで2戦連続4着以下がない馬。巻き返してきそう。外国人騎手が騎乗していた場合は①②①着と好相性。鳴尾記念でも手綱を取っていたレーン騎手とのコンビ復活も魅力だ。
“東京巧者”ハーツイストワールが穴
★相手=ヴェラアズール
脚元の弱さもあって、3歳春のデビュー以来、一貫してダートを走り2勝を挙げていたヴェラアズールだが、5歳になった今春に芝路線に転向すると、①③③①①着と軌道に乗り、京都大賞典まで勝利。父はダービー馬エイシンフラッシュで、母の姉妹にはトールポピー(オークス)やアヴェンチュラ(秋華賞)がいる血統だから、芝適性も備えていたということだろう。芝での5戦は、いずれもメンバー中最速の上がりを記録しており、ここも展開次第ではゴール前の強襲がありそう。
★相手=ボッケリーニ
通算成績は【6・7・2・6】で、掲示板外は2回と堅実なボッケリーニ。特に芝2200メートル以上では、57.5キロを背負って勝利した目黒記念を含め【1・2・1・0】と凡走なし。外国馬もいて展開が読みづらい一戦なら、この馬のしぶとさが活きてきそう。全兄のラブリーデイは、15年の3着馬でもある。
★相手=ハーツイストワール
前走のアルゼンチン共和国杯では、中団からの差しで2着に食い込んだハーツイストワール。それも含めて東京芝では【3・6・0・1】で、着外の一戦も0秒2差の5着と崩れていない。得意コースなら一発があるか。
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