エンゼルス、大谷翔平が2年連続でのMVPを逃したのとほぼ同じ頃、衝撃的なニュースが飛び込んできた。暗号資産(仮想通貨)の大手交換所FTXトレーディングが経営破綻した問題で、同社の宣伝に関わった有名人が提訴されたのだが、その中に「オオタニ」の名前もあったのだ。
日本の法曹関係者たちは「単に宣伝に出ていただけだから」と楽観的な見解だったが、投資家たちの訴状によれば「損害は110億ドル(約1兆5000億円)。被告らにも数十億ドルの責任が」と憤怒しているのである。
早期解決、一刻も早く和解を成立させなければ、エンゼルス球団の売買交渉にも影響してきそうだ。
「エンゼルスの買収に興味を示しているのは、主にアメリカの投資家たちですからね」(現地記者)
エンゼルスの売買交渉に影響を及ぼしているのは、暗号資産の裁判だけではない。今オフの補強が〝不評〟なのだ。
「エンゼルスのペリー・ミナシアンGMが、ドジャースからFAになっていた好左腕、タイラー・アンダーソンの獲得に成功しました」(米国在住ライター)
将来的に有望でなければ…
アンダーソンは、今季15勝を挙げた。エンゼルスの先発陣で勝利数が2ケタに到達したのは大谷だけ。その苦しい状況を改善してくれそうな補強ではあるが、「投資家たちの眼」には、そうは映っていなかった。
「アンダーソンは現在32歳。長く活躍できない30代を獲得しても…」(同)
米メディアでは、「ファーム・ランキング」なるものも公表されている。将来有望な若手がどれだけいるかで順位が決まるのだが、エンゼルスは30球団中28位。現状では、先細りしていくだけと見られている。
「アンダーソンは『3年総額3900万ドル(約54億円)』で獲得しました。エンゼルスのチーム総年俸は約1億8000万ドル。そのうちマイク・トラウトは約3711万ドル、アンソニー・レンドンは約3657万ドル、そして大谷の2023年新年俸は3900万ドル。アンダーソンを含めた4選手で、半分以上を占める計算です」(同)
有望な若手が少ない上に、特定選手に偏った年俸の配分…。25〜30億ドルとされる球団の買収額が値引きスタートとなるのは必至だ。
「エンゼルスは大谷がいて、付加価値もあったのに」(同)
裁判が大谷のクリーンなイメージを汚すことにならなければいいのだが…。
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