10月26日、トヨタは新型のBEV(バッテリー電気自動車)『bZ4X』の国内販売を再開した。
『bZ4X』は、今年5月にトヨタの次世代バッテリーEV『bZシリーズ』の第1段として華々しくデビューしたが、そのわずか1カ月後に「タイヤ脱落の恐れがある」と国土交通省にリコールを申請。徹底的な原因解明を優先し、販売再開までに異例の約4カ月を要することとなった。
「販売再開と同時に、『bZ4X』を2025年以降に増産する予定だという情報が入りました。また小型車サイズのBEVの開発を、コストが合わないとの理由で凍結したという情報も。当面小型BEV戦略は『bZ4X』でつないでいくのでは」(自動車評論家)
さらに根本から見直すことも!?
トヨタは昨年12月に、豊田章男社長が16台のBEVをバックに「2030年までに、30車種のBEVをグローバルで展開する。商用車を含め各セグメントにBEVをラインアップし、年間350万台の販売を目指す」と発表したのは記憶に新しく、すでに計画の一部は止めているという。
「『EVは出遅れているのではないか』といわれるトヨタですが、実はハイブリッド戦争を制したようにBEVの技術は世界一のものを持っており、本気を出せばあっという間に展開できます。一方で水素やバイオマス燃料による自動車開発も着々と進んでいます。もしバイオマス燃料がガソリンに変わるレベルまで増産できるようになると、従来のエンジン技術を活用し、低コストで自動車のカーボンニュートラルが達成できることから、EVシフトへの全振りはまだ賭けであると判断しているのでしょう」(前出・同)
世界情勢同様、目まぐるしく変わる次世代自動車動向。王者トヨタでも、一寸先は闇の状況に変わりはないようだ。
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