前ソフトバンクで〝熱男〟こと松田宣浩の巨人入りが決まり、15日記者会見を開き「まだまだ若く、熱く、元気にをモットーにプレーしていきたい」と意気込んだ。
2013、17年のWBC、2015、19年のプレミア12大会で日本代表・侍ジャパンを牽引してきた〝全国区の人気選手〟だ。ベテランの再スタートに、ソフトバンクはもちろん、他球団ファンも好意的に見ているようだが、来季の巨人開幕メンバーの平均年齢が一気に上がるなどの〝弊害〟も見えてきた…。
「今季の松田はベンチスタートどころか二軍で汗を流す時期も多く、それでも味方を鼓舞するべく、試合中は常に声を出し続けてきました。練習熱心だし、若手の手本として獲得したのでしょう」(スポーツ紙記者)
しかし、その役目は、ひと足先に巨人復帰が決まった長野久義や、右の代打としては40歳の中島宏之と「役どころ」が重なるのだが…。
それでも原辰徳監督が松田獲得に〝ゴーサイン〟を出した理由は、ほかにもありそうだ。
「今季の敗因として、坂本勇人の故障離脱と、その間のリーダー不在も挙げられています。でも、終盤戦以降、『坂本不在』ではなく、『勇人を叱れるヤツがほしいんだ』の言葉に変わりました」(球界関係者)
はじき出される若手に懸念
松田は侍ジャパンのリーダーでもあった。37歳の長野も年齢的にはベテランだが、プロ野球の世界は年齢ではなく、プロ入りした年度で先輩・後輩が決まることもある。この場合、坂本が長野よりも先輩となるが、松田はプロ入りも坂本より先輩となる。
「坂本の叱り役」として松田が注目される時期も出てきそうだが、ベテランの加入にはマイナス面もある。
「ベテランはスロースタートになりがち。本調子になるまで、ある程度の打席数が絶対に必要です」(同)
スロースタートとなれば、ペナントレースは「追いかける展開」となる。今季、ヤクルトを捉えきれなかった状況が蘇る。また、両ベテランは代打に甘んじる気はない。松田は本職の三塁のほか、一塁も守れる。隙あらば、外野も練習してくるかもしれない。
「弾き出されるのは若手です」(前出・記者)
こうした大型補強による若手へのしわ寄せは、常に指摘されてきた話だ。
「原監督は『レギュラーを獲れるように』と、若手に高いノルマを課しています。できなければ、ベテランを使うでしょう」(同)
巨人は、若手育成に舵を切ったはず。来季、猛練習が報われない若手の不満が爆発する!?
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