アメリカのスポーツ専門サイト『アスレチック』が11月はじめ、今オフのFA選手の50傑を発表した。ソフトバンクの千賀滉大は18位。そして、最後の50位にランクインされたのが、MLB挑戦を目指す阪神・藤浪晋太郎だった。
「最速は98〜99マイル(158〜159キロ)。スプリットの決め球があり、効果的なリリーバーになるかもしれない」とも評されていたが、MLB挑戦は本当に実現するのだろうか。
現在、ゼネラル・マネジャー(GM)会議が開幕しているが、マイナスの情報がゴマンとあるのだ――。
「直近5年間で12勝しか挙げていません。なぜ、この程度のキャリアしかないピッチャーが騒がれるのか、こっちが聞きたいくらいです。大谷と同級生ってだけで…」(米国在住ライター)
前述の評価コメントにしても、「効果的なリリーバーになるかもしれない」と〝消極的な言い方〟である。
「岡田彰布新監督を迎え、『さあ、これから』というときにアッサリ挑戦を認めました。FA権を取得した西勇輝、岩崎優、岩貞祐太とは何度も話し合いの場を持ったのに」(在阪記者)
補強予算の少ないチームがアクションを起こす可能性はある。しかし、藤浪の現地評価を聞こうとすると「むしろ、こちらが教えてほしい」と返ってきた。
「これまでの日本人投手のように輝かしい実績があるわけでもない。マイナー契約になるのでは?」(球界関係者)
どちらに転んでも…
そんな藤浪のMLB挑戦のシナリオを書いたとされるのが、代理人を務めるスコット・ボラス氏だ。多くのトップアスリートをクライアントに持ち、日本では松坂大輔氏の渡米時に「総額5200万ドル」の超大型契約を結んで有名になった人物だ。
「ボラス氏は豪腕、かつ優秀な代理人です。でも、日本のファンの期待に応えられなかった交渉もありました」(前出・球界関係者)
2014年オフ、鳥谷敬氏(当時阪神)の交渉失敗と、現巨人の中島宏之のケースだ。
日本人内野手に関する現地の低評価もあったが、鳥谷氏は阪神に戻る以外の選択肢がなくなり、中島はNPB復帰をサポートしてもらった。しかし、各球団は「条件が高すぎる」と、悲鳴を上げていた。その撤退した球団の1つが、阪神である。
「藤浪を先発要員として売り込んでいます。当たれば拾い物ですが、彼のキャリアでは冒険する気にはなれません。与四球率が高すぎるし」(ア・リーグ中部地区スカウト)
藤浪の場合、〝危険球〟による乱闘も予想される…。
ポスティングシステムで交渉決裂となった場合、阪神帰還が認められている。その際、藤浪はどのツラ下げて、プレーをするのだろうか?
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