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『都民ファーストの会』新代表に森村隆行氏…不満が募る党内での再出発

(画像)Dean Drobot / shutterstock

都民ファーストの会(以下、都ファ)新代表に、森村隆行氏が無投票選出された。小池百合子都知事の元秘書で、5年間、都ファ代表を務めた荒木千陽氏が7月の参院選に落選。

荒木氏が辞任したための代表選で、森村氏以外に立候補を届け出る者が現れず、無投票当選となった。森村氏は11月5日、新代表に就任した。

森村氏は、群馬県出身で東大経済学部卒業後、伊藤忠商事勤務などエリート街道を歩いた後、政治を志し、小池氏が立ち上げた政治塾で学ぶ。2017年の都議選で青梅市選挙区(定数1)から出馬し初当選する。現在2期目で政調会長代理などを務めていた。党内では「温厚ながらヤリ手」という評価で、荒木前代表のシンパとされる。

「都ファは、党勢が失速してヤバい。小池都知事の威光をかざして動く荒木氏のワンマン体制が原因と噂されていた」(都政関係者)

2016年の都知事選に打って出た小池氏は、自民党推薦候補に112万票もの大差をつけ圧勝する。その勢いで翌17年の都議選では、小池新党の都ファが55議席を獲得、都議会第1党に躍進し、国政をも窺う勢いだった。

一丸となっていけるのか

17年の総選挙直前、小池氏が結成した『希望の党』は、「排除します」発言もあり総選挙で失速。以来、都ファも勢いが削がれ、21年の都議選で議席は半減。さらに今夏の参院選でも都ファ代表の荒木氏が惨敗するなど、党勢は斜陽一直線となった。

「都ファ若手の間からは、今回の代表選に東大卒で公認会計士のフレッシュな成清梨沙子氏を担ぐ動きが出ていた。しかし、荒木氏は距離のある成清氏の出馬に猛反発。最後は党分裂回避のため、成清氏が立候補を断念した経緯がある。来春の都立高校入試に取り入れられる英語のスピーキングテストに立憲民主党が9月議会で反対条例案を提出した。テスト導入推進の都ファ内から3人の造反議員が出て、除名処分に発展するなど党内はガタガタです。来春の統一地方選までに、森村新代表が不満の鬱積する都ファ内を一枚岩にまとめられるかが焦点です」

小池都知事の影は薄い。

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