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JRA重賞『アルゼンチン共和国杯』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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秋華賞、菊花賞に続いて、GⅠ3連勝を目論んだが、あえなく憤死! 結果は、長らく続いた〝魔の1番人気〟の敗退が、ルメールのイクイノックスによって終止符が…。まあ終わってみれば、3歳で一番強いかもの馬とこれまでリーディングの常連だった名騎手なのだから、順当と言えば順当ではあった。

それにしても驚いたのは2着に粘った吉田豊パンサラッサの大逃げだ。岩田康ノースブリッジも横山典ハビットもチラッとからんだだけで、あとはパンサのみちのく、ならぬ府中一人旅。かのサイレンススズカならまだしも、千メートル57秒台は〝暴走〟に近いだろう。「こんなの直線でツブれるわ」とタカをくくって見ていた私をあざ笑うかのように、まさかの大逃走。ルメールをして「これは間に合わないか、と半ば覚悟した」と言わしめたほどの激アツな逃げだった。

わが藤岡佑ジャックドールは無念の4着に沈み、代わりに浮上したのは川田ダノンベルーガであった。この2、3着の馬に対して、私は〝データ的に逃げ馬壊滅〟や〝今度も4着が精一杯〟と断を下してガン無視。2、3着がヌケでは予想として節穴であった。結果、私は苦虫を潰したような顔となり、恥をかいた。GⅠの谷間となる今週のアルゼンチン共和国杯で立て直したい。昨年も馬連&3連複を的中させたゲンのいいレースだもの。

ひと昔前までは、レース名に〝チン〟が入っているから、エロく読める馬が来る、とまことしやかに伝えられたこともある(高本理論ってヤツか)。確かに12年2着ムスカ(ムスコ?)テール、13年1着アスカクリチャン、14年2着〝クリ〟ールカイザーなどがいたが、ここ最近はあまり縁がない。今年の出走馬名もつぶさにチェックしてみたが、エロを連想させるような馬は見つけられなかった。ふた昔前はチェリーコーマンなんてセクシーな響きの名を持つ馬がいたりしたものだが(笑い)。

最近はあまり荒れないレースのイメージが強く、二桁人気馬の激走は18年のマコトガラハット(11番人気)のみ、馬連は1~7番人気内に収まっており、4番人気以内の馬が必ず連対を確保している。3番人気がやたら馬券圏内に来ているのも特徴だ。

“映画連想馬券”は本命テーオーロイヤルから

恐らく1、2番人気は〝強い3歳馬〟の一頭であるC・デムーロのキラーアビリティーか、天皇賞・春3着が光る菱田テーオーロイヤルか。狙いの3番人気臭いのは絶好調の戸崎が乗るヒートオンビートか、先週の天皇賞・秋を制して気を良くしているルメール大将が乗るボスジラか。これに穴っぽいところで武豊ハーツイストワールを入れての5頭としよう。キラーアビリティーとボスジラの〝ディープ丼〟や、ハーツイストワールとボスジラの〝国枝丼〟を密かに期待しつつ、あとヒートとボスジラからディープ産駒の岩田望カントル、逃げそうな坂井キングオブドラゴンにも少々流してみよう。

日本シリーズも終わり、わがスワローズがオリックスに日本一を明け渡して終わった。オリックスは敵ながらあっぱれ、と潔くカブトを脱ごう。しかし、あの中継ぎの宇田川って投手は凄いね。これで来年3月まで野球はシーズンオフ。1年中開催されている競馬に感謝し、専念したい。勝っても負けても楽しいんだな、これが。麻雀やパチンコは負けるとちっとも面白くないのだが…不思議だ。

さて〝映画連想馬券〟は、ボックスで挙げた5頭のうちの1頭テーオーロイヤルから『北国の帝王』(73年)を。私も大ファンだった〝娯楽映画の巨匠〟ロバート・アルドリッチによる渾身のハード・アクションで何とも男臭い。それもそのはず、30年代アメリカの大不況時代、リー・マービン演じる〝無賃乗車の帝王〟とアーネスト・ボーグナイン扮する〝冷酷非道な車掌〟というむくつけき男どもの死闘を描いている。もはや死語となりつつある〝男のロマン〟ってヤツがこの映画の中には、厳然と存在する。主要キャストに女性は不在、なのもいっそ潔い。女優好きの私が言うのだから、間違いないっ。すでに公開から半世紀近く経つが、全く色褪せないのだ。

さて買い目だが、3枠と8枠に狙った馬が集中した感もある。枠なら3-8で1点? でも付かないだろうな。⑤⑥⑯⑰⑱の5頭ボックス馬連&3連複。これに⑯と⑱から①と⑧へ馬連で、⑯⑱縛りで①⑧へ3連複を少々。GⅡなので入れ込み無用と心掛けたい。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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