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『安倍晋三総理が闘った朝日と文春』著者:花田紀凱~話題の1冊☆著者インタビュー

『安倍晋三総理が闘った朝日と文春』産経新聞出版

『安倍晋三総理が闘った朝日と文春』産経新聞出版/968円

花田紀凱(はなだ・かずよし)
1942年東京都生まれ。66年文藝春秋入社。88年『週刊文春』編集長に就任。6年間の在任中、数々のスクープをものにし、総合週刊誌のトップに。94年『マルコポーロ』編集長に就任。以後『uno!』『メンズウォーカー』『編集会議』『WiLL』などの編集長を歴任。2016年4月より月刊『Hanada』編集長。

――安倍晋三元総理の国葬にはさまざまな意見がありましたが、結果的に多くの弔問客が訪れましたね。

花田 朝日新聞や毎日新聞があれだけ国葬反対を書き立て、立憲や共産党が反対を言い募った中で、あの日2万5889人の人たちが、暑い中、5キロ以上もの列を作って、安倍総理に献花をした。あるいはデジタル献花には52万人以上もの人が参加した。朝日などのメディアや野党が、まったく一般の日本人の心を捉えていないことがハッキリしましたね。

村八分だって、葬儀と火事のときは協力するというのが日本人。国葬当日、国会議事堂前や九段下で反対デモをしていた連中に、法大教授の山口某じゃないけど、こう言いたいね。「オマエは人間じゃない!」と。武道館の国葬儀そのものは粛然と行われ、菅義偉前総理の弔辞には涙が出ました。

――7月16日の朝日の川柳欄は安倍元総理や国葬を揶揄する川柳のオンパレードでした。

花田 〈疑惑あった人が国葬そんな国〉など、7首全部が安倍総理や国葬をおちょくる内容。選者の西木某は、かつて6年間も『天声人語』を書いていた朝日の幹部ですよ。それをそのまま通した朝日の編集局長や社長も許せない。かつて三宅久之さんが、「朝日の論説主幹が『安倍叩きは朝日の社是』と言っていた」と語っていましたが、あの話はやっぱり本当だったんだと思いましたね。

現在の『文春』はどうしたのか…

――朝日はこれまでどんな偏向報道をしてきたのでしょう。

花田 言い出すと切りがないんですけど、戦後、主な政治イシューで朝日が主張してきたことはすべて間違っていた。たとえば1951年のサンフランシスコ講和会議。あのとき、ソ連も入れなくてはという朝日の全面講和論を採っていたら、いまだに日本は講和条約を結べず、世界で孤立していた。最近では、まさに安倍元総理がリードした2013年の特定秘密保護法と15年の平和安全法制。朝日はあれだけ大反対していたけれど、ロシアのウクライナ侵攻で、世論調査も完全に逆転しましたからね。

――花田さんはかつて『週刊文春』の編集長を務めていましたが、現在の『文春』をどう思いますか。

花田 「穏健な保守」というのが、菊池寛以来の文春の伝統だと思うのですが、今の安倍叩きや、旧統一教会報道を見ていると正直、どうしたのかと思いますね。情けない。朝日新聞や大メディアの報道に「ちょっと違うんじゃないか」と異を唱えるのが文春の存在価値だったはずで、朝日と同じことをやっていちゃ駄目ですよ。

(聞き手/程原ケン)

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