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JRA重賞『天皇賞・秋』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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ハイ、また当たりぃ~! 秋華賞に続いて先週の菊花賞も連続的中だあ! 前回は低配当でトントンだったが、今度は違う。「今年の菊は〝乱菊〟の匂いがプンプン」の予想通り、馬連2030円、3連複6440円の好配当で、「アスクビクターモアからは厚めで③④⑭⑰⑱馬連&3連複ボックス」と記しての大本線的中だから太い!

久々の万単位の儲けとなってエビス顔。田辺アスクビクターモアは〝映画連想馬券〟でも取り上げ、秋華賞から2週続けて該当馬の勝利だけに嬉しい。〝いい風〟が吹いて来た。「へっへ~、来やがった、来やがったァ!」と、『七人の侍』(54年)の菊千代(三船敏郎)のように小躍りする私。〝菊〟的中だけに菊千代ね。

直線の攻防は見応えがあった。ビクターモアが離す。吉田隼ボルドグフーシュと鮫島駿ジャスティンパレスが襲いかかる。後続はほぼ来ない。この3頭に絞られ、どう転んでも的中なので、余裕の見物だ(こんなに安心してゴール前数十メートルを見るのは久々!)。〝名勝負〟は田辺が鼻差粘り、2016年安田記念以来のJRA・GⅠ勝利を果たした。

一方、〝魔の1番人気〟は今回も健在で、松山ガイアフォースは8着に敗退。実は、午後のオッズでガイアと2番人気ビクターモアの単勝人気の差が10円まで拮抗した瞬間があった。オッズ画面を見ながら、「♪どうぞ、このまま~」と往年の丸山圭子のヒット曲を口ずさんで〝念〟を送っていたほど(笑い)。

というわけで、勢いづいて、当方、お調子者なので、今週の天皇賞・秋も当たる気がする。ほんの数週間前〝当たる気がせん…〟と半ベソかいていた奴は何処の誰兵衛だって話だね。古馬ではC・デムーロのシャフリヤール、藤岡佑ジャックドール、3歳ではルメールのイクイノックス、福永ジオグリフの〝4強〟か。1番人気は判然としないが、GⅠ2勝のシャフリか、春連続2着のイクイノかなあ。

“映画連想馬券”は本命ジャックドールから

この10年、1番人気の馬券対象外はたった一度きり、の鉄板ぶり。ともに無視は出来ないとはいえ、今年のジンクスがなあ…。前者はアスクビクターモアと同じディープ産駒だし、昨年のダービーでは馬連3連複ともお世話になったし、鞍上はC・デムーロだし、と買い材料は多いが、休養明けイマイチ、2千は初、海外帰り初戦はこのレース苦戦のデータもある。後者は、GⅠで勝ち切れないのと、今年重賞で不調の鞍上が少々ネック。ルメール大将は18~21年を3連勝し、昨年も3着の〝新・天皇賞男〟でもあるのだが…。

それに比べ、3番人気? のジャックドールにも、GⅠの壁、藤岡佑はご贔屓騎手というわけではないし、というマイナス面があるが、何より2千オンリーのスペシャリストなのが強み。ちなみにマイル一筋で、22日の富士ステークスを勝ったセリフォスも藤岡佑が鞍上だった。流れが来ているのかも。二刀流やユーティリティ・プレイヤーが持て囃される昨今、守備範囲の狭い、融通の利かない姿は、頑固一徹の昭和男みたいで何だか好感が持てる。私もどっぷり昭和の人間なもんでね。加えて〝牝馬の鉄〟としては松山マリアエレーナも。あと個人的に毎日王冠で本命にして恥をかいた岩田パパのノースブリッジにもう一度賭けてみたいので、少々。

さて〝映画連想馬券〟は、〝ジャック〟ドールから『続・激突! カージャック』(73年)を選ぼう。スピルバーグ監督の初期作品で、彼のデビュー作『激突!』(72年)とは全く無関係な内容だが、邦題はそれにあやかったもの。養子に出されたわが子を奪還するため、脱獄させた夫とともに、子供のいる地まで車を乗っ取り続ける無軌道なヒロインを、以後〝コメディー女王〟となるゴールディー・ホーンが、珍熱演。やがて彼らを支持するヤジ馬たちで大混乱するおかしさなど、若きスピルバーグ演出も冴えていた。

買い目だが、馬番決定を見てふと既視感に襲われた。真ん中あたりに有力馬がひしめいているのは⑦⑧⑨⑩に1~4番人気が固まって1~3着を独占した先々週の秋華賞に酷似しているではないか。今回は⑥⑦⑧⑨が恐らく1~4番人気。そこであくまで厚めはジャックからだが、①も加えて⑥⑦⑧⑨の5頭ボックス。⑩から馬連で⑥⑦⑧⑨へ。ジャックとの⑨⑩縛りで①⑥⑦⑧へ3連複を少々。あとはジャックが1番人気にならないように〝念〟を送るのみ!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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