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『五輪汚職』東京地検特捜部が“最終ターゲット”を絞り込み!岸田首相の思惑は!?

岸田文雄
岸田文雄 (C)週刊実話Web

安倍晋三元首相〝国葬〟、円安、物価高など、国民から不満の集中砲火を浴び三重苦、四重苦の袋小路にハマった岸田文雄首相。永田町の水面下では「いよいよトドメとなる東京五輪政界汚職が直撃する」(政界関係者)とささやかれ始めた。

「岸田首相がここに来て突然、長男の翔太郎氏を首相秘書官に抜擢した奇抜人事も五輪汚職政界ルートと深く関わっている。〝公私混同〟〝身内びいき〟といった批判も覚悟の上。実は、岸田首相は安倍元首相国葬や旧統一教会問題は『人の噂も七十五日』とばかりに、いずれ収束すると考えていた。国民生活が脅かされる物価高・円安対策をきちんとすれば、支持率もV字回復する自信を持っていた」(岸田派関係者)

時事通信が実施した世論調査(10月7〜10日)によると、岸田内閣の支持率は27.4%。発足後最低だった前月より4.9ポイントも落としている。歯止めが利かない支持率低下に追い打ちをかけそうな負の要素が、東京地検特捜部が粛々と捜査を進める東京五輪汚職事件なのだ。

「岸田首相も心配していた五輪汚職は大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者が、スポンサー選定に便宜を図る見返りに賄賂を受け取っていた。これまで判明している受託収賄容疑で逮捕された汚職ルートは主に3つ。1つは紳士服大手『AOKIホールディングス』、2つ目が出版大手『KADOKAWA』、3つ目が大手広告代理店『大広』で、高橋容疑者の収賄総額は計約1億4200万円に上っている。いまのところ、高橋容疑者ルートはすべて民間からの収賄で、政治家絡みはゼロ。唯一、大会組織委員会の会長だった森喜朗元首相にAOKI側が接触し、病気見舞い名目で200万円渡したという供述が出ている程度」(検察OB)

建物高さ制限が緩和され再開発に

一連の東京五輪汚職事件は、高橋容疑者を含め、贈賄側も逮捕・起訴されたことから一件落着とみられた。しかし、冒頭のように五輪汚職は岸田政権を直撃、致命傷を負いかねない情報が駆け巡っているのだ。

東京五輪のメイン会場の新国立競技場は、総工費約1600億円を投じ建設されたことでも知られる。同競技場のある東京・神宮外苑一帯は、大正時代に都市景観と自然の調和を保つため都市計画法で高さ15メートル以上の建物は建てられない風致地区に指定されていた。新国立競技場(高さ47メートル)などの建設や他の高層ビル建築には風致地区での制限緩和が必要不可欠。それに一役買ったとされるのが〝文教族のドン〟森元首相だったという。

「2013年9月の東京五輪決定に先立つ同年6月には、東京都が風致地区の神宮外苑地区の建物の高さ制限を最大80メートルに緩和したことで、神宮外苑再開発計画が本格的に動き出した。この再開発は明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事、三井不動産が事業主体です。開発ポイントは神宮球場、神宮第2球場跡地に新ラグビー場、秩父宮ラグビー場に新球場を新たに建て替えること」(都政担当記者)

また、各種例外規定なども利用し、商業施設やオフィスが入る高さ200メートル前後の複数の超高層タワー建設も計画され、2036年の全体竣工を目指す。再開発の広さは約28ヘクタールで、経済効果は約9兆円という超ビッグプロジェクトなのだ。

「東京地検特捜部は、五輪汚職事件捜査のプロセスで、五輪を口実に始まったと思われる神宮外苑再開発計画にも疑惑アリと睨み、調査班を編成し、森氏などの周辺を丹念に洗い出している」(検察関係者)

「政治家関与の有力証言を得た」

東京五輪開催決定から新型コロナによる延期までの政権トップは安倍元首相、大会実施時は菅義偉前首相。

「特捜部は神宮外苑再開発絡みで国の強力なバックアップがないと再開発が難しい案件に、菅前首相やその側近、安倍元首相周辺が関与していないかを視野に入れ追っている。菅前首相も特捜部の動きを知ってか、菅グループ旗揚げ準備など、一切の動きを止め鳴りを潜めている」(同)

東京五輪汚職事件における特捜部の最終ターゲットとして「政治家関与の有力証言を得た」という情報も拡散。同時に「菅前首相は大丈夫か」といった話のほか、別の大物政治家、都政関係者の名前が9月末ごろから頻繁に飛び交い始めた。

「岸田首相の元にも捜査が及ぶ具体的な大物政治家の名前も届いている。何しろ、市川宏・特捜部長はかつて小沢一郎衆院議員の資金管理団体『陸山会』疑惑を執拗に追及した当時の公判担当。岸田首相は、場合によっては一大政界疑獄に発展する可能性があり、官邸を去らざるを得ない局面もあると腹を括った。その前後でしょうか、いずれ後継者となる長男を首相秘書官としてそばに置き、政権中枢で実績を積ませたい親心が働いたのでしょう。裏を返せば、身内を優遇した岸田首相は疑心暗鬼に陥っている証拠」(内閣情報調査室関係者)

支持率が下落の一途をたどる中、長男の首相秘書官人事を断行した岸田首相。その背景には、五輪政界疑獄で政権崩壊の足音を敏感に感じ取った岸田首相の思惑が隠されている。

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