ウクライナで苦戦するロシアのプーチン大統領が、核兵器の使用を決断する確率が一段と高まっている。北朝鮮の金正恩総書記もミサイルの連発だけでなく、核実験の準備を着々と進めているという。ロシアと北朝鮮が核を「同時発動」するXデーは近い。
プーチン氏は9月30日、ウクライナ東部、南部の計4州を一方的にロシアに併合した。
プーチン氏は「祖国防衛のためにはあらゆる手段を尽くす」と明言しており、この4州周辺で核兵器を使用するシナリオが現実味を帯びてきた。
いくつもの兆候が現れている。英タイムズ紙は、ロシアとウクライナの国境で核実験が計画され、ロシア国防省の秘密部門に関連があるとみられる列車が、ウクライナ方面に向けて動き出したと報じた。
また、欧州メディアによると、ロシア海軍の原子力潜水艦『ベルゴロド』が北極圏の基地を出港し、核弾頭を搭載した魚雷『ポセイドン』の発射実験に向け、準備を進めているという。
ロシアは北朝鮮の試射で確認
ベルゴロドは7月に就役したばかりで、全長184メートルと世界最大級。もともと核戦争に備えて建造されたもので、『終末の日の潜水艦』という異名を持つ。
「ロシアはウクライナだけでなく、欧米など同国を支援するNATO諸国を核で威嚇する狙いだろう。実際にウクライナとロシアの国境や黒海に浮かぶスネーク島で、小型核を使うとの見方が強まっている」(軍事ジャーナリスト)
ロシアがウクライナを核攻撃する際、使われると有力視されている兵器はほかにもある。変則軌道を取り、迎撃が難しい短距離弾道ミサイル『イスカンデル』だ。そして、何を隠そう北朝鮮が今年に入って乱射しているミサイルには、このイスカンデルを改良したものも含まれている。
ロシアにとっては、北朝鮮がミサイルを撃てば撃つほど脅しや宣伝になり、さらには実戦に向け、発射演習の代行をしている側面もあるというわけだ。
金正恩総書記もプーチン氏と同様、核兵器に固執している。
「16日には中国共産党大会が開幕する。1週間程度とみられる会期後と11月8日に行われる米中間選挙の間に、ロシアと北朝鮮が核実験を行う可能性が高いと指摘されている」(前出・軍事ジャーナリスト)
果たして実験だけで事は収まるのか。