10月1日にこの世を去ったアントニオ猪木さん。主戦場だったリングを飛び出し、国会やイラク、北朝鮮などでも燃える闘魂をたぎらせた唯一無二の存在だっただけに、プロレスファンのみならず、一般国民からも惜しむ声が絶えない。
SNS上では「猪木こそ国葬」といった声まで上がっているほどだ。
「愛弟子の藤波辰爾や小川直也は、国民を勇気づけたヒーローだとして『国民栄誉賞』の授与を主張しています。数々のスキャンダルもあった人ですから、さすがにそれは難しいでしょうが、旧統一教会との癒着問題や安倍晋三元首相の国葬で支持率低迷にあえぐ岸田政権のこと。元国会議員ですから、人気者だった猪木氏にあやかろうと、何らかの弔意を示す行動は起こすかもしれませんね」(スポーツ紙記者)
猪木さんの今後については、家族葬を経たのちに、ファン向けの「お別れ会」も予定されているという。
複雑に絡み合う利権問題
「プロレス界では、2009年に試合中の事故で急逝した三沢光晴さんの『お別れ会』に2万5000人ものファンが足を運びました。この数字だけでも安倍氏の国葬参列者に匹敵します。三沢さんも長らくプロレス界をリードした第一人者でありますが、猪木さんとは知名度で比べ物になりません。猪木さんの『お別れ会』なら、その5倍はいくのではないか。下手をすると参列者が10万人を超えるかもしれませんよ」(同・記者)
盛大な送り出しに期待がかかる一方、冷ややかな見方もある。某プロレス関係者が語る。
「猪木さんが立ち上げた新日本プロレスでは、『終身名誉会長』のポジションを与えられていましたが、猪木さん自身の商標権や肖像権はタニマチだった会社社長が差し押さえています。その過程では、猪木さんの最後の妻と法廷闘争を繰り広げた因縁もある。新日、遺族、タニマチの間で、今後の猪木さんの利権を巡って、骨肉の争いが起こっても不思議じゃない。最悪、『お別れ会』も別々に開催される恐れもあります」
数々の名言を残した猪木さんの口癖の一つに「一寸先はハプニング」という言葉もあった。死してなお、そうならないことを祈りたい。
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